マリオサンシャインを研究するブログ

マリオサンシャインのRTA,TASについて考察する。オタク向け

マリオサンシャインで自分が成し遂げた事まとめ

ニコニコのブロマガに掲載していたものだが、ブロマガサービス終了に伴いこちらへ移す

 

2010年

8~10月頃:マリオサンシャインRTAの練習を開始

 

2011年

4月:サンシャインRTA初通し

8月:ヒミツ赤コイン極めの始まり
    96枚RTA考案
11月:警察署抜け発見(20枚RTAが考案されるまではS人生でしか使われなかった)


2012年
3月:Y視点壁キック考案
  カジノのヒミツリフトバグ発見(実用化は2015年)
7月:ヒップドロップショットガン考案
8月:ヒミツ赤コインWR制覇
  マンマ8ヨッシー天井抜けルート人力初成功

2013年
1月:カジノ赤TAS越え
4月:Y投げ発見
  リコ2外部イカなしルート考案
  シレナ3ヒップ安定法発見
6月:リコタワー赤ターボTAS越え
9月:グリッチキック人力初成功
10月:ステージ移動でのセーブリセ考案
12月:TAS制作環境導入

2014年
4月:any%TAS制作(当時TASからRTAへ導入されたものとしては、ビアンコ5で丸太でスピンYしてロープに乗る方法、ワンワンで水滑りするルート)
  ホバ禁カジノスキップ考案
6月:ニコ生配信デビュー
8月:ニセマリオショットガン瞬殺考案
11月:ホバ禁ウナギ現最速法確立
12月:ホバ禁コインフィッシュセットアップ考案

2015年
5月:おっさん投げ飛距離伸ばし発見
7月:20枚TAS制作
10月:着地硬直利用ロケット保存発見
12月:S3EYG考案(TAS)

2016年
1月:大砲赤TAS越え
2月:ドルピックニセマリオ瞬殺考案
  ホバーバグ(深海仕様のホバーノズルをエアポートに持ちこむ事)解明
5月:ピンナ籠青キラーなし考案
  カニ歩き抜け解明
  S3EYG人力ルート発案
7月:多段ロケット保存発見
11月:ボステレサツンなしで倒す方法発見(TAS)

2017年
5月:シレナYドア抜け発見

2018年
3月:any%TAS制作(TASからRTAに採用されたものは、ニセマリオ瞬殺(マンマ以外)、バック宙ホバーでのピンナステージイン、ピンナ3の最速ルート、ウナギで上向きショットガンで沈む)

8月:モンテマンをdesyncさせる方法発見

 

2019年

7月:ピンナ偽マリオ瞬殺発見

8月:リコ3ホバ禁のイカジャンプルート発見

 

2020年

8月:チュウハナに関するバグの解明の手助け

 

2021年

1月:チュウハナを放置するだけで倒せることの証明

5月:蝶を全滅させなくてもコインが出てくる現象の解明

6月:アナログ放水による船、リーフボードの加速発見

 

2022年

1月:人力ホバ禁GBSのヤシの実設置場所のセットアップ開発

6月:シレナ3フルーツなしルート発見

   シレナのガラス床をヒップなしですり抜ける方法の発見

7月:マンタ撃破後に真後ろ水滑りを利用する方法の考案

11月:ボスパックンスキップTAS制作(アイデアは他の人考案)

 

2023年

2月:120枚TAS完成

5月:エアポートのポンプ取得までで泥滑り利用の考案

ウナギ解説-仕様編

まえがき

 マーレのいりえストーリー4のボスであるウナギには数々の仕様がある。

今回はそれらの仕様のみに絞って解説していく。

次回の記事にてこれら仕様を踏まえた上でのRTAのやり方について解説する。

 

初期状態

 マリオが近づく前、ウナギが海底で待機している状態。

この状態ではウナギは泡を出すだけで、時間経過によって上昇するといった行動を取らない。

 マリオが中央に近付くことでのみ次の状態に移行する。

この状態ではウナギは口を閉じているが、歯を磨くこと自体は普通にできる。

 そのため、中央に近付きさえしなければ遠くから好きなだけ歯を磨く事が可能。

ただし後述の奥歯の仕様により磨けるのは前歯4本+金歯+奥歯1本、計6本まで。

上昇と回転

 待機状態から移行するとウナギが回転してから上昇する。

初期状態からの切り替わりでは回転の長さは固定で、回転の向き(時計回り・反時計回り)が乱数によって決まる。

 このため、回転の向きを見るだけで金歯の位置が予測できる。

 

 初期状態以外の待機状態からでは、回転の長さと向き両方が乱数に依存する。

 

口開け

 主に歯を磨く事になるパート。

一定時間経過すると吸い込み状態へと移行する。

この時間は乱数によって変化はしないが、歯を磨くなどウナギが揺れる行動をすると吸い込みへの移行が早まる

 このパートで奥歯を抜くとウナギが沈む。

 

吸い込み予備動作

 口開け状態から吸い込み状態へ移行する切り替わりの状態。

ウナギが更に大きく口を開けるため見た目でも判別できる。

 この予備動作への切り替わりで1度歯を磨けなくなる制約がリセットされる

 ただし、切り替わる瞬間だけであるため、そこを逃した場合はリセットが発生しない。7本抜きで非常に重要になる。

 このパートでは奥歯を抜いてもウナギは沈まないが、吸い込みにその状態が保存される。

吸い込み

 口開けから一定時間経つとウナギが回転しながら吸い込みを始める。

吸い込み中は歯を磨くことができない

 吸い込み時間は一定で、ウナギが225°ほど回転する。

 

 予備動作から保存された状態は、吸い込みが完了すると発揮される。

つまり、予備動作中に奥歯を抜いた場合、吸い込みが終わった後にウナギが沈む事になる。

口閉じ

 マリオがウナギの喉元付近にいるとウナギが口を閉じる。

ここで脱出できないとムービーが挟まり上に吐きだされる通称「くらこわ」となる。

 くらこわになるとウナギは海底に沈む。

 口閉じが空振りするとウナギは直前の行動をもう1度行う

 具体的には、上昇、口開け状態、吸い込み(+予備動作)を繰り返させられる。

吸い込み予備動作の繰り返しがタイムアタックで最も重要になる

 

沈み

 吸い込みを3回完了した後、くらこわが発生した後、奥歯を抜いた後にウナギが海底に沈む。

どの沈み方をするかで若干挙動が異なる。

 

 吸い込み3回後の沈みの場合、磨き切れてない歯の汚れはそのままで、すぐに浮上してくる。

 奥歯を抜いたことで沈ませた場合、磨き切れてない歯の汚れが完全に復活し、再度の浮上までに時間がかかる。

 この浮上時に歯を磨けなくなる制約がリセットされる。

 

 くらこわによる沈みの場合、奥歯を抜いた状態が保存されていればそれと同様の沈みになり、保存されていなければ吸い込み後の沈みと同様になる。

 

撃破時

 歯を8本全て磨くと撃破ムービーが発生する。

歯や泡にぶつかった無敵時間、酸素ダメージの無敵時間中だとムービーが発生しない

これはくらこわムービーも同様だが、くらこわは無敵時間が切れた瞬間にムービーに戻される。

 くらこわムービー中に撃破すると、くらこわムービーが優先され、普通に撃破ムービーを見るよりかは短縮になる。

 

 ムービーカットを行った場合、シャイン出現の瞬間に必ず1ダメージ受ける

 

 撃破ムービーが流れた場合、ムービー終了時のマリオの高さはウナギの高さに依存する(くらこわも同様にウナギの高さ依存)。

 海底にいるウナギを倒すとかなり低い位置にマリオがいる事になる。

 マリオの向きと速度はムービー発生前のものがそのまま保存される(Y視点は不要)。

 

ここまでがウナギ本体の仕様となる。

 

歯の仕様

 ウナギには8本歯があり、中央の4本を前歯、外側の4本のうち白い歯を奥歯、残り1本を金歯と呼ぶ。

 

 前歯と金歯は磨いても制約はなく、他の歯を連続で磨くことができる。

 

 奥歯は磨くと歯が抜け落ち、基本的にはウナギが沈む

また、奥歯を抜くと他の歯が磨けなくなる制約が発生する。

 この制約はウナギが沈み再度浮上するか、吸い込みの予備動作に切り替わるかでしかリセットされない。

 

ステージの仕様

 このコースはステージ全体に沈む力が働いているが、ウナギの周辺には上昇水流があり、沈む速度がゆっくりになる。

 これはウナギ撃破後も残っており、そのためムービーカットをしない場合はマリオを早々に外側へ移動させた方が短縮になる。

 

次記事はこちら

zelpiku.hatenablog.com

マリオサンシャインTASテクニックまとめ

 元々はニコニコのブロマガに書いていたものだが、サービス終了に加えて新技術を更新してなかったので改めてまとめる。

 

QF(クォーターフレーム)

 サンシャインは30FPSで動作しているが、内部的には1Fがさらに4分割されている。TASはこの4分割のうちで最も都合のいいタイミングにマリオが着地したり壁に触れたりするように座標や速度を調整する。代表的なのはショットガン高さ調整、慣性ジャンプ、壁キック。

 

慣性ジャンプ

 マリオに速度が付いた状態でジャンプする事。

 ジャンプに残る速度はマリオの直前の速度の80%で、3段ジャンプのみ速度が100%残る。

ダイブ復帰からの慣性ジャンプでは上述のQFの関係で、平地だと速度が60%~70%程度しか残せないが、ショットガンによる高さ調整で解消できる。

 

 マリオの着地時のモーションを見ると速度の残り方を判別でき、マリオが直前の体勢のまま着地していればベストなタイミング。前のめりになるなど体勢が崩れていると速度ロスが発生する。

空中ショットガン

 ショットガンはマリオのY速度に影響する。

速度を上げるかどうかはノズルの向きに依存しているが、多くは速度上昇。

意図的にY速度を落として滞空時間を減らす場合は上向きショットガンと組み合わせる。

上向きショットガン

 Rを1F押してからショットガン入力をすると斜め上にショットガンが飛ぶ。

ニセマリオの瞬殺、地上のM字消しでは必須入力。

ヒップショットガン

 ヒップドロップを利用して様々な角度にショットガンを撃つ事。

上向きの復帰ショットガンでも1発では出現しない青コインのシャイン模様やピンナのニセマリオの瞬殺に使う。

 特殊な状況としてボステレサへの場外攻撃にも使う。

ショットガンダイブ

 R→R離す→RABの入力でショットガンとダイブが同時に出せる技。

バック宙ホバー

 X+R→RAの入力でバック宙を出しながらノズルを切り替える事ができる。

バック宙ショットガン

 バック宙ホバーとの組み合わせで右後ろにショットガンが撃てる。

入力はカニ歩き状態でXL→AR。

 大抵の場合スピンショットガンの方が汎用性があるため出番は少ないが、120枚では大掃除、リコカットで使っている。

切り替えホバー

 ノズル切り替え直後のホバーノズルは0.5Fくらい遅れて発生する。

地上での方向転換の量を増やしたり、高さの調整ができる。

 普通にホバーを使うよりも減速が少ないため速度維持にも使えるが、QFによっては逆に遅くなる事もある。

ホバーキャンセル

 ホバーと同時にノズルを切り替える事でホバーの終了を0.5Fくらい早める。

最大の利点として、ホバーを離してからダイブが出せるまでの時間が1F短くなる。(通常はホバーを離してからダイブを出すには1Fのインターバルが必要)

これも高さ調整、速度維持に使う。

 

 上り坂ではジャンプと同時にホバーキャンセルをする事でダイブ復帰を最速で出せる事が多い。

浮き上がりキャンセル

 1Fのホバーで過剰に浮いてしまうパターンの時に2F目でホバーキャンセルをすると浮き上がりを抑える事ができる。

 これが起こるのはダイブ復帰での最速着地でホバーを使った場合と、赤スイッチのテキストを送り、ホバーを最速で入力した場合。

ニュートラルホバー

 ダイブ復帰の着地直後、ニュートラルにしたままホバーを使い、直後にスティック入力かジャンプをすると浮き上がる。

 一見普通にホバーを使うのと差はないが、スティック入力ができないY視点硬直の間にホバスラを使いたい時に利用する。

 

 120枚ではピンナ6(1回目)で観覧車裏のM字→砂浜のM字を取りグリッチキックでヨッシーに戻るとこで使っている。

反転ホバー

 反転ジャンプとホバーを組み合わせて任意の角度にホバスラを出せる。

また、反転の予備動作中はホバーで浮き上がらない事を利用して、上述のニュートラルホバーと同じ操作ができる。120枚では結構使っているテクニック。

復帰ホバー加速

 ダイブ復帰と同時にホバーを1F使うと速度が0.5ほど上昇する。

アナログ放水

 Rトリガーを浅く押していると水滴が近くに飛ぶ。すぐに水滴が落ちるため少し前の足場を濡らしておきたい時には重宝する。

 乱数調整、水滑りの補助が主な使いどころだが、蓮や泥船ではアナログ放水の方がスピードが出る(水滴量の違いによるものと思われる)。

アナログホバー

 深海エリアでのホバーではアナログ入力によって普通に押しこむよりも速度の上昇が弱まる。

 Y速度の上昇も弱まるため、Yホバー加速をしてからアナログホバーに切り替える事で速度を維持しながら沈む事ができる。

Yホバー加速

 深海エリアでY視点で下を向きながらホバーを使うとXZ速度が大幅に上昇する。

 また、地上においてはロープでもホバーによって速度が上昇する。

スピンキャンセル

 ニュートラルにするとスピン入力がリセットされる。ただし地上スピン状態(ベイブレード)の時はニュートラルでもスピンジャンプが出せる。

YL視点調整

 Yを押した時にカメラがまっすぐになるのを利用し、視点を速く調整するテクニック。

 Lを押してY視点への切り替わりを防ぐ必要がある。

Y視点

 Yを押してからY視点に切り替わるまでのラグがマリオの向きとカメラの向きに依存しているため、それらを調整する事でY視点の時間を最小にしたり、グリッチキックの高さを抑えたり稼いだりといった事ができる。

CY視点

 Cスティックを使う事でY視点による視点移動の速度を上昇させる技。

主にY視点壁キックで使うが、ヒップドロップの瞬間にCを倒しているとかなり速度が上がるため、マーレに入る時にも短縮が大きい。

カメラ調整スピン

 カメラが左右に動いている時、スピン入力を1Fで2方向判定させる事ができる。

これによってスピン入力で発生する減速を抑えたり、Y視点解除直後などのスピンで短縮になる。

反転スピン

 復帰から最速でスピンジャンプを出す場合、進行方向にスティックを倒すよりも後ろに倒して反転体勢にしてからスピンする方が速度が出る。

 ただし最速着地の方が速度は出るため、基本的にはポンプの使えない状況でしか使わない。

崖つかまりキャンセル

 物のカドで崖つかまりするとよじ登るアクションなしで上に乗ってくれる。

タイミングを合わせてB入力すると即ダイブ復帰に繋げる事もできる。

 なお、QFによってはBを押しても壁ずさ状態になったり、先に上る判定が出てしまいふわっと浮き上がるダイブが出てしまうため、これも調整が必要。

 崖つかまりの瞬間にホバーを使うとQFに関係なくキャンセルできるが、滞空時間が増える。

崖引っかけ

 水滑り状態で足場の端から1度落ち、すぐさま元の足場に戻る事で水滑りの速度から慣性ジャンプに繋げる事ができる。ダイブ復帰のモーションを介する必要がないためタイムへの影響は大きい。

 

 ヒミツ内部などポンプを使わないステージにおいてはダイブで浮き上がる時間を削るために崖引っかけを頻繁に使う。

 

 他には水滑りから方向転換したい時なども、近くに段差があれば1度復帰するよりも崖引っかけをする方が速くなる。

ニュートラル崖復帰

 ビアンコ3の星型リフトでのみ確認されている現象。

リフトの端っこに着地しニュートラルのままBを押すとダイブが出る。通常であればニュートラルでのBは物を掴むアクションになる。

ニュートラル速度維持

 ダイブ復帰からの着地時はスティックを倒すよりもニュートラルにした方が減速が緩やかになる。

 マリオの速度がマイナスの時に滑る坂に着地した際にも速度維持が有効。

ニュートラル減速

 ジャンプ動作から着地した時はニュートラルにするとすぐに止まる事ができる。

坂滑り

 坂を滑る事による加速を利用した慣性ジャンプ。主にヒミツステージの回転するリフトで使う。

 スピンジャンプの場合はスピン入力によって減速するが、再度坂による加速をギリギリまで行って速度ロスをなくす事ができる。

坂着地

 ジャンプ動作から滑る坂に着地すると、着地の硬直中は滑る判定が発生せず速度だけが溜まる。

 硬直が解けた時に床が滑らない角度であれば、硬直中に溜まった速度を生かすことができる。主にヒミツステージで使う。

ダイブヒップ

 地上でヒップドロップを出す際、A+B+Lの同時押しで最速でヒップドロップが出せる。主に赤スイッチを押す時に使う。

 

120枚TAS ここまでの振り返り 3回目

まえがき

 120枚TASの続きを先日アップロードした。

シャイン69枚、青コイン160枚でほぼ全体の3/4まで到達したという事で振り返ろうと思う。

 今回の範囲は木箱割1回目の後からモンテの隠しシャイン(ストーリー8)まで、動画だとpart6、part7にあたる。

 

 前回記事はこちら

zelpiku.hatenablog.com

 

全体を振り返って

 フルーツ運搬以外は楽しいシャインが多かった。洪水前はAny%と被る範囲なだけあって初めて作るシャインは青コインで大きくルートが変わるものくらいで、手探り感は薄かったが、今回の範囲は大半が初制作。RTAのワンシャインや通し動画のタイムを細かく見比べたりして情報収集に1番力を入れたと思う。

 

 また、今まで以上にTASに組み込まれる新技術も多かったように感じる。Rトリガーのアナログ入力は私が作るTASでは使わない傾向があったが、今回からは考えを改める必要があると思っている。

 

 制作途中ではかねてから噂だけが流れていたスーパーマリオ3Dコレクションが公式発表され、長らく現行機でできるサンシャインを望んでいただけに、新要素もない移植なだけであるにも関わらずTASそっちのけでのめり込んでしまった。これは掃除バグなどスイッチ版でしか起きないバグがあった事、スゴワザマリオという企画が行われていたのも大きい。

 スイッチ版はロードが圧倒的に速く、掃除バグは最速で発動すれば30秒以上短縮で、言語も最速のイタリア語を選ぶことができると至れり尽くせりで、ケチの付け所がムービーが初回は飛ばせないままである事くらい。この環境でTASを作れば1時間5分は切れると思う、作れればの話だが。

 

 話が逸れたが、それぞれのシャインについての話をする。

 

鐘の下

 ターボとフルーツどっちが速いかは分からなかったため両方作った。

ターボがRTAがTASとほぼ同タイムで驚いたが、ムービー明けの初動の差(通しだと初動が遅くなる)によるものだと判明し、実際は0.4秒くらいTASの方が速いはず。

 

 フルーツ壁抜けはここでマリオとフルーツとの高さ関係ですり抜けるかどうか変わるという事実に気が付いた。そのせいで壁ずりの時間が最短よりも長めになっている。

 なぜ高さが重要かは恐らくクォーターフレームが関係しているが、私はマリオの判定などは調べられないため正確には不明。

 

投げおっさん

 シャインの名称にいつも困るやつ。日本のRTA勢では投げおっさんの通称が1番使われているが、今はもう投げてもらう人は少ない。

 バナナを打ち上げる調整が非常に難しく、目の前の建物で跳ね返ってシレナ土管側へ吹っ飛んだり、コロナ側へ吹っ飛んだりする事が大半で思い通りに飛ばすには繊細な位置調整とショットガンの乱数が重要となる。

 

 さらに狙い通りに飛ばしても次に厄介なのがバナナのバウンドで、すり抜けポイントの近くに設置しようにもバナナが大きく跳ねるせいで海へ落ちてしまう。同じ理由で木箱の上にピンポイントで乗せる事もできなかった。

 

 バナナを持った後のすり抜けは、RTAのように歩き投げですり抜けるよりも着地投げで抜ける方が少し速い。ただし着地投げはバナナをなるべく早いタイミングで投げてすり抜ける最適化が難しい。

 

毒川

 120枚の制作が序盤停滞していた事で救われたシャイン。ヨッシー不要のルートが見つかり15秒以上速くなるというサンシャインではかなり大きめな更新が起きた。

 

 土管のある小島までバナナを運搬する作業が1番難しい。バナナ屋と小島との間にヤシの木が1本あるのだが、その葉っぱがバナナの吹っ飛びの勢いを殺してしまうという迷惑仕様。

 新ルート発見直後に作った時にはあっさりバナナが飛ばせただけにここで苦戦するとは思わなかった。

 

 TASで取った戦略は空中固定技でバナナをなるべく高く浮かし、ショットガンをかすらせてバナナを落としながらダイブ復帰で潜り込みショットガンで打ち上げるというもの。

 これによってバナナを飛ばし始める高さがギリギリまで抑えられ、葉っぱに引っかからなくなるという力技だった。

 バナナの飛び方はショットガンの乱数なので毎回変わる、だから違う乱数から作ればもっと良い位置で収まるかもしれないけどそこまで調べる余裕はなかった。

 

 内部のターボはマリオの座標を見ながら細かく最適化をした。1度試作したTASがカーブの制御がかなり強くて、ここで最適化を抜かされる事がしばしば。まぁ何とか試作に対しロスなく更新を維持したままシャインまで取れたのでヨシ。

 

 ちなみにこの3枚を最初にやるというのは決めていて、これらはフルーツ飛ばしの乱数のせいで入力の使い回しができないシャインなので先にやっておけば作り直す事になる可能性が低くなるから。

 これ以降の順番は制作時の気分。

 

金鳥

 ターボの水で倒すという発想は最初からあったが、ここまで上手くできるとは思わなかった。元々はカニ歩き状態のターボの噴射で倒していたが、ターボスピンで当たるのか検証したらすぐに成功して自分でびっくりしたやつ。

 

砂浜

 シャイン出すまでのアプローチをビアンコ→マンマの動き方を参考にしたらワンシャインRTAにも即取り入れられてた、嬉しい。

 このシャインを取るタイミングはマンマのどろパックンの時の方が良い可能性はあるがその場合警察署青の回収もする関係でどろパックンへの攻撃のロスを最大限抑える調整がクソになる事は間違いないだろう。それだけやって逆に遅かったら泣ける。

 

右のベル

 アプローチは1Fずつ復帰をずらして調べたから多分更新出来ない。

シャインを出した後はスピンジャンプロケットとロケット保存の2択で、タイム的にはどちらも一緒だったが、あるアイデアでロケット保存が少し速くなった。

 

 アプローチのスピンジャンプロケットを使うと、着地までは次のロケットのチャージができない。ならば着地と同時にロケットをチャージできる状態にしつつ、それまでの滞空時間で鐘の掃除をギリギリまで済ませておけば、残りはロケット保存の上昇中に掃除できるのではないかというアイデア

 これで苦戦したのが実はシャインを取るところで、ロケット保存の上昇が速すぎる事に加えてシャイン出現ムービー明けの10Fはスティック入力を受け付けない仕様のせいでマリオの左右の調整がしづらくなっている。このアイデアの前は出現ムービーがロケットのチャージをする前に終わってたため、左右調整する十分な時間があった。

 

灯台

 アプローチが3通り考えら、マーレ側から飛んでいくルートはRTAと大差がつかず、砂浜から飛ぶルートは普通に遅かった。TASで採用した水滑り慣性ロケットは1.5~2秒くらい速かったと思う。

 シャインの出待ち位置調整のためにブロックを壊す速さは最速ではないなど、ヒップの落下中に出待ちするためのセットアップロスが少しあり、そのため見た目よりは速くなっていない。

 

大シャイン

 大シャインオブジェクトに頭ぶつけて着地を早めるテクニックをここで思いついたのが地味にパチンコに役立っている。

 

 シャイン出した後のロケット保存で上昇しながらショットガン撃つのは地味に2Fくらいの短縮。

 

パチンコ台

 内部はTASが何度も更新された事があり、その度にルートが変わっている。

今回のはRTAのルートが元になっていて、そこから7枚目の後の上り方を改善した。この壁キックで上る工程はすごーく難しい。

 

 パチンコ台は細かいテクニックが地味にあるので詳しく解説すると

開幕~最初の3連取りまでの部分

 どういう仕組みか分からないが、ダイブ復帰から1度も止まらずに歩き続けているとそのまま発射台の判定を踏める。これでホバーを使わず跳ねているが、勢いが付きすぎてて3枚取れても壁判定にぶつかったり、それを回避しようとすると1枚取れないというジレンマがあった。

 

 4枚目~6枚目の部分

4枚目を取った後は、以前のルートでは5枚目で壁キックしていたためマリオを1度4枚目のポケットで引っかけて壁キック可能な状態を維持する必要があったが、新ルートではそのまま下に落ちるためホバーで4枚目ポケットの斜面を超える事ができた。

 

 5枚目~6枚目では以前試作した時からどうしても1Fロスが発生し原因が分からなかったため座標を1Fずつ確認するしかなかった。そこでようやく釘に押されていると分かりロスをなくすに至る。ここで大シャインで頭をぶつけて高さを抑えた発想も活きている。

 

 6枚目~8枚目の部分。

 Y視点が解除できるまでの時間をどうやって稼ぐかが課題だった。Y視点解除前に壁に触れるとマリオが手前側に壁キックしてしまい、どうしても遅くなってしまう。

 壁キックも8枚目をギリギリ取れる程度の高さに抑えようとAを押す長さや壁を蹴る位置を何回も調整し直したので、結構追記がかかっている。

 

 シャインキャッチの部分

 8枚目を取る時に速度が付きすぎていると減速が間に合わずにシャインが取れなかった。TASも釘に速度を殺してもらわなければポケットに入る事はできない。

最後の部分も分かりづらいが釘に2回引っかけて2Fの短縮を行っている。

 

アルバイト2種+木箱2回目

 乱数ゲー。パイナップルの3つ同時に籠の近くまで持っていくところと、ドリアンを水で押し出して会話直後に放り込むの好き、ドリアンは見た目通り超難しい。

 

 木箱は流石に2015年の20枚TASから大きく更新はできなかった。事前にNPCと会話をしていた影響で部屋に入ってから会話可能になるまでの時間が15F短縮されてはいるが。

 

警察署

 内部の下り坂で飛んだ方が速いというワンシャインRTAで発見された事がきっかけにTAS用の動きを組んだ。

 最初は普通に飛んでいたのだが、一応気になって崖引っかけ3段を試したら少しだけ速いという結果になりそれによってRTAと全然違う内容になった。タイムも1.5秒くらい差がある。

 

 シャインキャッチを3段で直接取るのはお気に入り。

エアポート赤+100枚コイン

 エアポート入る前の双子の最適化がdesyncがあったりショットガンの乱数だったりで難しい。

 

 エアポートでのルートはNoki doki氏やOatflaker氏がルートを考えてくれて、それらを全部作ったのちにTAS用にアレンジしたものが最終系。

 ここでターボジャンプ中にRを離した後にアナログ入力を行う事でターボを維持したまま次のターボをチャージ可能な状態にするというピンポイントなテクニックも情報提供を受けた。Y保存と相性が良すぎる。

 

 100枚コインはTASらしくショットガンの射程ギリギリくらいで窓に当てている。

ターボスピンでもY視点で上下を向くとY速度結構変わるんだなぁという発見もこの時。

 

ビアンコ3赤コイン

 アメンボ地獄の再来。最終的に120序盤のビアンコ3より1F速くなったけど、もう1F行けるんじゃないかなと言う気はしなくもない。

 

 内部パートも昔作った事があるが、それから割と細かく更新が起きてるのにリフトの周期のせいでどんどん追い付かれているのが悲しい。

 

ビアンコ8

 まだマシだと思ったらアメンボやっぱりキツイ。でもこれでアメンボの顔を見るのも最後だと思ってやりきった。

 復帰ロケットの暴れっぷりが面白い。途中で橋の下の青コインを追加したせいで最後の大風車の屋根へ乗るための水が足りなくなってしまい、クォーターフレーム単位の水節約技術を駆使して道中を短縮しつつギリギリ水を確保できた。本当に水がギリギリ。速く行けば行くほど風車の足場と羽が邪魔な位置にあるので更新は難しいと思う。

 

 シャインキャッチで1度屋根に足を付けているため落下が遅くなって層に見えるが、ニュートラルの速度保存によってダイブ復帰の下降速度を保持しているためロスはない。

 

ビアンコ1

 今更取るの何でってyoutubeでもニコニコでも言われて困った。そりゃRTAを熟知してないと分からんもんなぁ。

 

 当初は普通に作っていたが、ビアンコ100を作り直した時のアプローチを流用してみたら速い事が分かって、ここもやり直すことにした。ここでどろパックン撃破ムービーの強制移動を何とかキャンセルできないかといろいろ試した中でチュウハナの強制移動の性質を思い出し、チュウハナの検証に移行。

 

 チュウハナだと木に掴まっていると移動をキャンセル出来たが、どろパックンでは出来なかった。代わりにみかんさんがロープに乗ったままチュウハナ倒すとロープの判定のまま移動が発生して面白いと発見し、ロープバグの検証、更にロープ自体の速度保持性質の検証に発展した。それが最終的にビアンコ1の短縮に役立ったのだからたまには目移りするのも悪くない。

 

 チュウハナで新発見が2つほどありTASの戦略も固まったところでビアンコ1の制作に戻った。チュウハナの経験からロープ上でもマリオの速度が残っていて、それをムービーに持ち込むことができる事を利用できないかと考えた結果、蓮とアメンボを使う発想に至った。アメンボ、ビアンコ8で終わりじゃなかった。

 蓮の制御はそこまで難しくなく、どろパックンの体力も自分で特定できたため最適化で苦労したのはアメンボの位置調整くらい。

 

 ロープにダイブ復帰の速度を持ちこんだ後にホバーで更に加速できるというのもチュウハナで検証していた事。これでシャインキャッチの部分が6Fも縮んだ、影の功労者チュウハナ(のステージにあったロープ)。

 

ビアンコ100枚コイン

 遂に来た100枚コイン。ドルピックは赤コインのオマケ感しかなかったからね。

120枚に取り掛かる前はビアンコ100のルート構築がまだ定まっていなかった。というのも村エリアの青コインは全部ボスパックンで取れるのは分かっていたが、後半ストーリーにしかない村エリアの青コインが数枚あり、その中にヨッシー必須なものと、高い位置にあるものがあるから。

 

 具体的には柱付近にある青コイン、ボスパックンの寝床にある青コイン、そして蝶の青コインの存在のせいでヨッシーをどこで降り、またどういう動線で動くのが最適なのかが分からなかった。これを解決してくれたのが、村エリアから湖エリアへの壁抜けの発見と、120枚RTAで起きた大規模なルート改革。

 

 これによって、ボスパックンの寝床はロケットで取り、そのまま湖エリアへ抜けるという動線が出来た事、その過程で柱の青コインも取れる事、その2つがなくなった事で100枚でのヨッシーは蝶だけを目指せば良い事になり、ジレンマが全て解消された。

 

 正直なところこのルートになった事でビアンコ100枚は最難関クラスにはならないだろうなという甘い予測を立てていた。

 

 サンボヘッド、こいつは最適化大変だろうというのはRTA見ててもよく分かる。水を当てる時のマリオとの位置関係で飛ぶ方向が変化し、サンボヘッドにぶつからないギリギリのインコースを付いて角度を調整だけでも1000単位で追記を持っていかれる程シビア。

 そんなサンボヘッドが可愛く見えるのがフルーツ運搬。TASは当然持ち運ばないのが最速で、そのためにはヤシの実を1度飛ばし、その先でもう1度水を当てて軌道を曲げるという荒業が必要となる。

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 雑に図で表すとこうなる。

風車にぶつけて軌道を曲げると角度が合わず川へ落ちるため、ショットガンで曲げるしかないのだが、ただ曲げるだけではだめで、ヤシの実のバウンドの角度によってはどんどんと村側へずれてしまい最終的に川ポチャコースなので、どこでヤシの実をバウンドさせるかも考えた上で軌道を選ばなければならない。

 このルートが実現できただけで100枚コインがもう終わったかのような充実感があった。

 

 ヨッシーパートは速度を見てたら歩きながらニュートラル挟んだ方が速そうと思ったので座標を見ながら検証した。これのせいで歩くだけでも心労が凄まじく、1秒歩く入力作るだけでその日の体力がなくなってしまう事も多かった。代わりにニュートラルの時にLで視点調整できるというメリットもあったのでどっこいどっこい。

 

 ビアンコヒルズ特有の壁際にある滑り判定をヨッシーで利用すると速いが、ヨッシーベイブレードができないため着地硬直で速度溜め→スピンジャンプで速度解放という動きになる。速度溜め部分が位置調整がシビアすぎて辛い。しかも作った後にヨッシー水滑りする方法が出てきてそっちの方が簡単で速いというのも辛い。

 

 元々は木の上のコインは回収しない予定で、その分をサンボヘッドにしていたが、村エリアでのコインを全て取ると101枚になる事が分かり、1枚だけ削るのはタイム短縮が微妙でならばどうするかと考えた結果、サンボヘッド1匹削り、2枚足りなくなった分を木の上のコインで代用するという案になった。この案は双子回収した後というかなり後半で思いついたために、蜂や双子回収を全てやり直す必要がありもう少しで諦めそうだった。

 ここで諦めなかったおかげで蜂の配置が良くなり木の上を取るロスを最適化で逆転するという自分の技術力が光る100枚に仕上がったと思う。

 

 蜂の最適化は今回の100枚で1番難しかった部分で、一応TASのやり方としては2つ目の巣を落とした後、1つ目の巣の群れが来るまでの間に2つ目の群れをできるだけ食べ、ジャンプで蜂の位置を調整しながら処理という感じ。

 蜂をあえて1F遅らせて食べた方がその後が速いという事がよくあり、食べるタイミングをほぼ総当たりに近い感じで調べたと思う。モンテ村の蜂処理はどうなることやら‥。

 

 サンボサークル2つ目からはヨッシーで降りながら花を咲かせるという事をしている。ヨッシーでサークルに近寄りながらショットガンで咲かせるよりもジャンプ減速がない分少しだけ速い。更に降りながら上にショットガンを撃って着地までの滞空時間をクォーターフレーム単位で削っている。これによってマリオが方向転換するのが速くなり、最終的にヨッシーに乗るまでが1Fの短縮になる。ここまで最適化するのはめちゃめちゃ難しく、地味に追記が数千単位で増えた箇所。

 

 壁に囲まれたモンテ族の救出は踏ん張りを使って通常放水で掃除から着地寸前にショットガンで掃除しきる。モンテ族は基本掃除しきってから話しかけられるようになるまでにタイムラグがあるため、そのラグの間に会話可能な範囲に入り込んでいる。

 

 青コイン回収後の壁越え部分では、ヨッシーが壁に接触した状態だと越える時に速度が死んでしまうため、最小限の減速に抑えながら壁にぶつからないようにスピンを出している。ついでに最後に倒すサンボヘッドも起こしておくことで1秒近い短縮になる。

 

 村エリアの蝶はステージ突入時に建物周りと時計回りか反時計回りかが決まる。ヨッシーの要求フルーツも合わせなきゃならんので結構大変。

 で、蝶のルートをどっち周りにするかにあたってまずはRTAのワンシャインを確認した。RTAだと2分30秒くらいで蝶に差し掛かるが、100枚で橋の下の青コインを回収するため10秒くらいのロスがある。ヨッシーでの移動はそこまで差が付かないため、フルーツ運搬と蜂でどれだけ差が出るかというのをステージに入る前に考えなければならなかった。

 予測としては1分50秒くらいで差し掛かる(フルーツ運搬と蜂でトータル30秒RTAと差が付く)だろうと見積もって蝶のルートを選んだ、これが本当に甘かった。

 TASは私の予想よりも遥かに速く来てしまった(1分20秒くらい)ために、そのままの乱数では蝶は建物の反対側にいて、蝶を取るためには数秒の遠回りが必要になってしまう。蝶のルートを逆にして1分20秒付近を確認してみるとまさに花サークルと双子の間、進路上という都合の良すぎる位置にいた。

 

 一応今の状態は保存しておいて、作り直しに挑戦、ヤシの実と蜂で上手くいかなかったら諦めるという方針でビアンコ100をやり直すことに決め、その後初動の改善によってビアンコ1の作り直しに戻る、という時系列である(ややこしい)。

 

 とまぁこんな感じでRTAとTASの差をざっくり計算して蝶のルートを想定してはいたものの自分のTASが想定外の速さだったという、すごいのかダサいのかよく分からない事態で無事ヨッシーまでの最適化もヨッシーに乗ってからの最適化も更に詰めながら元の場所まで戻ってくることができた。

 

 双子ラクガキを消すところはスピンの回転方向を調整する事で最短で消すことができている。なおどうやったらスピンの方向が変わるのか未だによく分かっていない。

 双子ムービー明けはショットガンを撃ってサンボヘッドを壁際に戻している。これは大体分かるだろうが、最後のサンボヘッドが壁にぶつかるまでの時間短縮になる。ショットガンを撃つためのジャンプはロスにはならず、直前がダイブの姿勢であるためむしろジャンプしないとマリオの動き出しが遅れる。

 

 双子を回収する動線の最適化が見た目以上にキツイポイントで、水滑りの向きを曲げる時の速度ロスをいかに最小限に減らせるかが重要で、また青コインのセーブ画面解除直後に最速で入力を受け付けるのがスティック操作という事も利用してギリギリの位置で青コインを取っている。更に更に次の花サークルを咲かせるショットガンの乱数調整も同時に行う必要がある。

 

 4つ目の花サークルのサンボヘッド1匹目を処理する時に新技術として、ホバーを不発にした次のフレームでAを押すと低空ジャンプが出るというものを使っている。これはその後のTASでも何度か使っているが、これを使えばドルピックのシャインも更新出来るのではないかと考えている。めんどいので検証はしてないが。

 

 サンボヘッドのコインの判定待ちの間に建物からコインを出しておく。このコインは11秒間残っており、TASでもほぼ最後のフレームでコインを取ってるくらいにはギリギリ。

 

 最後の花サークルのサンボヘッドはこのストーリーでは唯一3匹いて、どのように処理するかが難しかった。動線の都合上サンボを右に飛ばしておきたいが、右過ぎると壁にぶつけるために必要な水を当てる回数が増えてしまい上手くいかない。なので割と正面に近い角度で飛ばしているが、むしろこのくらいの角度の方が速かった。

 ついでにここでもコインの判定待ちの間に建物からコインを出しているが、これも水が当たる判定がギリギリで乱数がきつかったポイント。

 

 最後のサンボヘッドは復帰放水を2回当ててより速く壁にぶつかるようにしている。1回だけでも壁にぶつかりはするが、2回当てた方が吹っ飛ぶスピードが上がる。

 

 シャインキャッチでは壁が地味に高く、どう越えるかと悩んだがスピンジャンプとグリッチで越えられたので特に問題はなかった。グリッチの角度の最適化はそこそこ難しく、Y視点解除硬直のせいで壁から落ちてしまいやすい。また、その後のスピンダイブで上に乗る動作への繋ぎの関係でマリオにある程度助走を付ける必要もあり、グリッチがなるべく村側を向くようにしている。

 最後は壁にある微妙な凸地形を利用して慣性スピン。この凸部分は斜面が緩すぎてなかなか復帰が引っかからず、また坂道ダッシュが発動する範囲も狭くてかなり難しかった。

 

 作り直しも含めた追記数は48194回。これまでの追記数最多はピンナ3の18090回だった。11000追記から作り直しとなったので最終的に2万~3万となるだろうと思っていたが、まさか4万超え、5万にも届きそうなレベルになるとは想像できなかった。恐らく今回の120枚全体での最多追記シャインで、他の100枚でもこれだけの追記数にはならないだろうとは思う。100枚コインはどれも難易度のベクトルが違うが、ビアンコ100は敵処理、フルーツ運搬、そしてヨッシーパートにおいて最難関クラスと言っていいと思う。敵処理だけならチュウハナの方がやばそうだが。

 

 これはヨッシーに限らないが、サンシャインでは坂道の角度が急なほどマリオの移動効率が落ちるせいで、平坦な道が少ないビアンコヒルズではどの場所を通るかの最適化が非常に難しい。単純にインコースを付けば良いというわけではない箇所もあり、基本的には坂道ダッシュが発動するラインは避けるというのを今回の100枚コインでは実践した。一応坂道ダッシュの発動するインコースを含めた検証も行ったので、今回のヨッシーパートは水滑りで更新出来る事を除けばかなり最適化されたものだと思う。

 

 このシャインはまだまだ語れる事が多いが、このくらいにして次のシャインへ移ろう。

ビアンコ6赤コイン

 ロケットまでのアプローチは速度をちゃんと残さないと左側を水滑りして川をホバーで越えたり、ベイブレードに繋げたりするルートに対してあまり速くならない。ベイブレードが普通に強いんだよなぁ。

 

 鳥は乱数で初期位置か向き、あるいは両方が変わっているが、双子ラクガキ消しに間に合いさえすれば基本的にロスはないため厳選はしていない。

 鳥の処理の最中に1度崖つかまりを挟んでいるのはマリオの向き変更と速度の両方に都合が良いアクションであったため。

 

 その後はすり抜けまでは特にない。ボスパックンから湖エリアへの壁抜けは120TAS用のdiscordで動画を共有されたもので、当初はターボでこのすり抜けを実行する案もあったが、ヒミツ内部の差を覆せずロケットが採用となった。水中謎ダッシュの実用化が見せられたしこっちの方が見映え良い気はする。

 水中に侵入する際に水面判定を踏まない事がとても難しい。大抵はマーレ4外部の海底青コインを取りに行く道中のように1度水面判定を踏み、泳ぎで下降ワープを発動し水中に横から侵入するが、泳ぐ分と復帰モーションが途切れるのが当然ロス。ピクセルパーフェクトというほどシビアでもないが、位置の猶予はかなり狭い。

 

 内部は自分がロケットルートをILで開拓したのもあって思い入れが深い。雲ルートを最初に思いついて成功させたし(競技人口1人)。個別TASも何回か作っていて、最新の個別からは0.7秒くらい更新してたと思う。

 

 2枚目~3枚目での復帰ロケットからロケット保存へ繋ぐ一連の動作が最初の難関で、三角ブロックが少しだけ邪魔だった。上昇ブロックを1番手前で起動させつつロケット保存がちゃんと発動するようにチャージタイミングを細かく調整している。

 この時三角ブロックからロケット保存や復帰ロケットで上手い事雲に乗れないかも試したがダメだった。さすがにね。

 

 ロケット保存は速度が毎回一定ではなく保存速度が169だったり171だったりとブレがあるのだが、このブレのせいでロケット保存から雲に乗るまででロスする事があり、これを避けるためにニュートラルにするフレームをずらす事で高い速度を保存している。

 

 三角ブロックをかわしているせいで保存位置が左に寄ってしまっている関係で赤コイン2枚取りしつつ雲に乗る事が非常に難しくなっている。ダイブ猶予は1Fでスティック入力もそこそこシビア。

 

 雲からの復帰ロケットは1Fずつずらして1番最短で6枚目を取った後に足場に戻れるタイミングにしている。

 8枚目をダイブ復帰で取りつつある程度ロケットチャージも行うところが1番難しかったとこで、TASが速すぎて足場がまだ赤コインの下に来ていない段階であったため、かすめ取らなければならない。またダイブが引っかからず復帰に繋がらなかったり、復帰できても角度が膨らみすぎて落ちたり、角度を改善すると今度は赤コインが取れないというジレンマが詰まった箇所となっている。

 

 シャインキャッチは復帰ロケットのタイミングをクォーターフレーム単位で調整して、空中でショットガンを撃って落下速度を上げるとシャインが取れないギリギリまでマリオの高さを抑えている。

 

 これにてビアンコヒルズをコンプリート。ステージ全体の追記数は101399回だった(リコカット等のステージ移動は含めず)。

 ステージ全体の感想は動画でも述べたとおり、アメンボを使ったのがS1、S2、S3、S3赤、S6(2匹同時)、S8と半分以上のシャインで乱数調整のめんどさでTAS制作者の体力を削ってくる。平坦な道が少なく、基本的に動くのが難しい。

 RTAでルート改革が起きた事でかなりの短縮となったが、もし起きていなければもっと苦戦していただろう。

 

バナナアルバイト

 難所を突破するとすぐに難所が来るのが120枚後半の恐ろしいところで、バナナアルバイトもパイナップル・ドリアンバイトに負けず劣らずのドルピック難所青コインだった。

 

 バナナは地面に置いてある時だと復帰ショットガンでも地上ショットガンでも高く飛ばす事は出来ず、ドルピックの建物を飛び越えられない。

 ここで使うのは毒川侵入でもやった空中のフルーツを掴んで浮かす初期版限定バグ。

毒川のところでは触れなかったためどうやって浮かしているかと言うと、ショットガンで飛ばしながらダイブ入力をして掴んでいる。このショットガンダイブは人力だとまずできないフレームパーフェクトの入力なので、この浮かし方はTAS専用となる。

 

 1つ目を浮かすとマリオが再び歩き出すが、ノズルが下を向いてバナナにショットガンが当たるようになるまでは少し時間がかかるため、1つ目を浮かす時に2つ目を少し奥に飛ばしていたりする。

 2つ目を浮かしたらまずはそれらを飛ばす。散々言っているがこれは乱数ゲーであると同時にマリオの位置のちょっとしたズレでも軌道が変わってしまう位置調整ゲーでもある。

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 2つのバナナはここに当てる事で反射している。

3つ目のバナナを浮かさなかったのは、浮かしているバナナを飛ばす際にこぼれた水で別のバナナにぶつかって落ちる可能性が上がるからが1つ、2つ目はそもそも3つ目のバナナが少し遠くて動きに無駄が多くなる事。

 

 3つ目は反転ショットガンで少し浮かせながら壁反射でこちらに戻し、下から復帰ショットガンで打ち上げて壁を使って籠に乗せる。

 

 3つ目のは籠に乗るように調整して、残り2つの内1つは復帰ショットガンで同じく籠に乗せる。復帰ショットガンで2つ同時に飛ばす事はできないためこれが限界。

 バイト引き受けの会話前にショットガンで籠に乗せていた2つのバナナを押し出して会話終了後に落ちるようにセットアップ。バナナ自体がショットガンの水滴程度じゃあまり動かない事もあってこの調整はドリアン以上に大変だった。会話挟むとその後のバナナの転がり方が変わる事もあった。

 

 アルバイト完了後はシレナへ行くルートも比較したがやはりマーレの方が良い。

 

マーレ金鳥

 シャインを取る順番は更新余地が残りにくいであろう順番。

 

 金鳥は特にいう事がない。トランポリンはなるべくギリギリのところで跳ねてホバーの時間を削る。シャインをなるべく落下速度のついた状態で出待ちする事がポイント。

 

マーレ6赤コイン

 滑車ベイブレードがかっこよさとタイム両面で飛びぬけてて強い。

RTAの上り方や開幕正面のロープを上るルートも作ってみたが、秒単位でベイブレードが勝つ。

 

 内部はまず最初は水滑りで速度を得られるように壁キックは斜めに行わない事が重要で、RTAでも速くなると思う。

 このシャインも1度作った事があるが、全体を通して細かな更新があり最終的に1.5秒くらい。別に前作った時に手を抜いたわけでもないのにどうしてこうなるのか。

 

 赤コインは出現から1秒間判定がないのだが、ここはその1秒の間にTASが通り過ぎてしまうくらいに近い位置に出てくるのが厄介。

 2枚目~ロープのところはなるべく2枚目に近い位置に復帰が着地するようにしている。こうする事でロープへのスピンダイブの角度が深くなり、ヒップで即ロープに乗る事ができる。

 

 3枚目~5枚目が1番難しいポイントで、速度を付け過ぎず、殺しすぎずの丁度良いラインで3枚目を取り、高さも最低限なジャンプに抑えて4枚目を取っている。

 4枚目を取る時に角度がなるべくまっすぐにしないと次の5枚目への動きで角度がどんどんずれてロスになる。

 

 5枚目は以前は3段ダイブで取っていたが、今回は位置が遠くてダイブだと届かなかったため3段ジャンプに変えている。なおロスではなく5枚目~6枚目でも更新になっていた模様。

 

 8枚目からシャインキャッチへの動きは角材の出っ張りと、角材の回転のせいで最適化が難しい。なるべく早めに面を移動しないと斜面の移動効率によってどんどんロスになる。

 

マーレ8

 外部はダイブ復帰の慣性をホバーでなるべく維持する事でスピンジャンプより3Fほど速くなった。

 

 コインフィッシュでは新技術のアナログホバーを採用。通常のホバーノズルでは何も違いがないが、海底仕様のホバーノズルではRトリガーの押し込み具合によって速度が変わる。みかんさんが発見したもの。

 地上でのアナログホバーは下降速度が上昇していたのでまさか海底でもと思ったが、水の処理の違いのせいか海底では速度は上がらなかった。ただし下降速度が上がらないだけで、上昇速度に関してはアナログ入力だとかなり違いが出て、1番緩い押し込みだと沈みながらホバーが使える。

 

 もう1つ、今まで気付いてなかった事がメモリ上は速度は99まで加速するのだが、座標を見ていたところ実質的な移動速度は80が上限で、速度80~99に差はないという事だった。これが何を意味するかと言うと、速度80を下回らない程度のアナログ入力をしていれば沈みながら最高速度で移動できるという事である。

 

 これによって青コイン1枚目を取ってから2枚目までの移動で常にホバーが使えて短縮となる。

 

 コインフィッシュの回収の仕方はRTAと違って完全に魚形態に戻った後での回収になるため難易度が非常に高い。

 尻尾のコインが左右に大きく揺れるため特に回収が難しく、Yホバーで回収する案や先に尻尾から取る案も試したが上手くいかなかった。

 背びれから頭側→尻尾と切り返しながら8枚一気に取るにはホバーの時間が長くなり、1度青コイン2枚分割が速いかどうかの検証のために試作した時からあまり速くならないという結果で、もっと最適化出来そうというモヤモヤが抜けなかった。

 

 なんかないかーとコインフィッシュを観察していたら分裂時に1枚下の方に飛び散るものが見えて、外套の箇所をチェックしたら丁度取りづらい位置の赤コインでこんな都合が良い事があるのか‥と流石に驚いた。TASを中心にサンシャインが動いている‥!?。

 

マーレ100枚コイン

 これも120枚作ってる最中にRTAでルート改革が起きた場所。元々はターボで水S上のコインを回収した後にホバーノズルへ戻して遺跡青を回収するルートだったが、遺跡青の一部をマーレ6に入る前に回収する事で100枚コインの後半はターボを維持するというすごいルート。TAS的にはそんな難しいわけではないが、RTAでは1つのミスが大ロスになる100枚でも屈指の難易度(とうの私はやった事ない)。

 

 最初のロケットまでのアプローチでは上り方をマーレ1や2から改善して1F速くなっている。ただマーレ2で同じアプローチをしたら速くならなかった。多分滑車に乗る位置の違いか。

 崖つかまりキャンセルに崖引っかけ慣性スピンとTAS特有アクションが高密度で繰り広げられるのが気持ちいい。ロケット取ってダイブしてようやくマリオが静かになるのも含めて面白い。

 

 ロケットを取る前の窪みの青コインでは崖つかまりグリッチキックが最速だが、このグリッチ前にカメラ角度を調整してY視点の発動を早めている。

 

 ロケットを取ったら遺跡青をまとめて回収。最初はロケットを取る前に回収する予定だったが、海外勢に「ロケット取ってから青コイン回収するルート、RTA用に考案したけど微妙だった、でもTASなら速そう(要約)」と提供され、試作からかなり最適化した結果2秒くらい速くなったと思う。最適化しすぎて遺跡が中途半端に引っ込んでいる状態で青を取ることになり難易度が高かったが。

 

 ロケット保存はカニ歩きで行うよりも歩きながらニュートラルにする保存の方がノズル切り替える手間が省けて速い。ターボへ向かうロケット保存が角度の調整難しい。あれだけ綺麗に入れるとは思ってなかった。

 

 ターボパートはY視点のどの角度が1番速度が上がるかを調べて作っている。水上パートは見たまんまでここは語るところがない。双子青2枚目取ったらY保存発動させて曲がった方が速いかと思って仕込んでおいたけど使わない方が速かったからLで保存を消している。暇な人はどこでY保存を仕込んで解除したか探してみてね。

 

 遺跡パートが細かい技術盛りだくさん。遺跡の起動はその後の壁キックまでの動きも含めて1番良いタイミングにしている。起動の速さを優先させると壁キックまででロスって結果的に遅い。

 

 起動直後はスピンYから壁キックを始動させるが、ここでターボをチャージする事でY視点による減速が打ち消される。これはターボチャージ中はマリオが勝手に歩く、つまりスティックを前に倒しているのと同じような事が空中でも起きていると考えてもらって良い。

 ターボをフルチャージ状態だと単純にマリオの速度が上がるが、この状態のまま壁キックをするには単なる最速壁キックではなく、クォーターフレーム単位の最速壁キックでなければならない。違いは簡単で、マリオが壁に触れているフレームが見えなければ後者である。

 

 ターボ使用中はスティック前に倒しているのに近い状態と説明したが、同じ理由で使っている間は壁キックの時の左右調整が弱くなる。そのため、遺跡の動きに合わせてマリオを海側へずらすためにターボを解除する。

 その後は水の節約のために普通に壁キックをして、遺跡青1枚目。

 

 黄色コイン有の通路はドルピックのマンホール内と同じ扱いで、ここではターボだと壁ドンせずに移動できる。青を取ったら反転で切り替えして復帰。この復帰はターボで曲がる時間を減らすために行っている。

 

 もうどこの事を言っているのか分からない頃だと思うので詳しくは省くが、その後は動画の解説通り、窪みに反転を引っかけたりターボを使って遺跡を起動したりなどを行っている。

 

 シャインキャッチでは壁キックからロープに掴まるとマリオがシャインに背を向けた状態になり滞空時間がもったいないが、ここでシャイン側を向いた状態でロープに掴まるのは非常に難しい。

 

 まずはターボの速度のままベイブレードを行い、足元にある滑る坂を無視してスピンジャンプを出す。そのままY視点にし、Cスティックを倒しながらヒップドロップを行う。これによってカメラの移動速度が上がり、マリオがギリギリシャイン側を向いた状態でロープに乗れるようになる。

 

 これでマーレの入り江コンプリート。乱数要素が少ないというのはTAS制作難易度をだいぶ下げてくれる。ウナギは更新余地残ってるけど。

ステージ全体としての追記数は40273回。ビアンコ100単品の方が多いの笑える。

 

モンテ8隠しシャイン

 120枚を作る前からこのシャインはやばいと分かっていたやつ。最初に綿毛ワープを知ったのは2012年、とある走者の79枚RTAで偶然木の上へのワープが発動した事がきっかけで、そこから実機で何時間も観察して条件を探り、バグの詳細を把握した。

 

 詳細が分かっても実現できないのが乱数ゲーのきついところで、正直なところ綿毛がどの範囲に出現するかも知らない状態でどこまでシャインに近いところに出現させられるかも未知数という今思えば無謀なチャレンジだった。

 それでもツールなしで最速ワープ発動から1秒遅いだけでワープ先もまぁまぁ速い綿毛を引けていたのは相当運が良かった。おみくじ大吉。

 

 ここでtwitterには3Dコレクション発売直後以来ご無沙汰だったGoldfireさんが突如綿毛の個別TASと専用ツールを動画で提示するというハプニング。数日前に私が「ステージ内の綿毛全部の位置とワープ先を確認するツールないと無理」とツイートしていたのが伏線かと思う程タイミングよくその機能を搭載したツールを開発してくれていた。

 

 Goldfireさんの個別TASはワープ発生がかなり遅かったしワープ後もカメラのせいでよく分からなかったが何かもたついてる印象があったが、それでも自分のTASより良い位置に綿毛が出てきているのは確か。これはつまり、そういう事なんですよね、私へのミッション。

 

 ツールをもらった時はこれをちゃんと使いこなせるのかという不安が大きかったが、Goldfireさんが丁寧に1つ1つの機能を教えてくれたおかげで1日経つ頃には自分の思い通りに探すことができるようになった。必要な綿毛に対しどれだけ乱数進めれば良いか分かるのありがたすぎる。

 

 ステージ突入の乱数調整を何度も繰り返し、最終的にワープ後1Fで足場に乗れる位置にまで調整できたのは誇り。最適化された綿毛が見たいとの事からツールの開発を行ってくれたと聞いたが、ここまで最適化できるのかとお墨付きを得られた、TASer流の恩返し。

 

 シャインの出し方はY視点でノズルを上に向けつつ、上向きショットガン(Rを1F押してからショットガンを撃つ)を2発撃ちこんでいる。マリオの高さはスピンジャンプのY速度の関係で動画の高さが限界。没にした綿毛ではスピンのY速度が違うためもっと低い位置で待機できているのもあるが、ワープ位置が悪くないとY速度は稼げない。

 

 綿毛ワープはS8で更に活躍するが、何回もワープを利用するため難易度は最難関クラス。ツールがなければ絶対に作れなかったと言いきれる。

 

むすび

 part7の範囲は100枚コインが含まれるのもあって、視聴者の反応がとても良く、苦労が報われている。この先も密度の高い内容になるはずなので気長に待っていてほしい。そして、徐々に120枚も終わりに近づいていると考えると若干の寂しさもある。サンシャインに関わってから自分史上最大のプロジェクトなだけに絶対に完走しきるつもりだ。

switch版マリオサンシャインRTAについての話

まえがき

 2020年9月18日に発売となった「スーパーマリオ 3Dコレクション」

その中に収録されているスーパーマリオサンシャインRTAを行う場合、GC版と違いはあるのかについてまとめる

 

ロード時間の差

 ハードが変わる場合にもっとも影響の大きい事が読み込み時間である。

そこで、GC版サンシャインをwiiで起動し測定してみたところ、シャイン選択後とシャインキャッチ後のロードで2秒スイッチ版の方が速いと分かった(いろんな場所で測ってないので、ステージやその時々によって読み込み速度には誤差があるかもしれない)

 最短クリアではクッパを含めず43枚のシャインを集めるため、1つに付き2秒で計算すると1分30秒近くはロード的に有利となる。

 もちろん、ピンナパークやシレナビーチのステージ切り替え暗転、ヒミツステージなど暗転がシャイン選択後にも余分にあるシャインでは更に差が出ると思われる。

 

 私が比較した結果はこちら

https://twitter.com/zelpikukirby/status/1307663325384204288

 

処理落ち

 GC版ではマンタ戦、クッパ戦、ピンナ3の赤コインで処理落ちが発生しやすいのだが、スイッチ版ではほとんど処理落ちしなくなっている

 

バグなど

 基本的にGCの後期版で使えるバグやテクニックは全てスイッチ版でも使う事が出来る

しかしボステレサに関して、GC版では戦闘開始直後に真ん中に行くとテレサの出現が速くなるのだが、スイッチ版ではできなくなっていた。GC版でもできないバージョンがあるかは未確認。この点では2~3秒GC版が有利。

 

 シレナ6の大掃除についてはまだ不明な事が多い。

GCの後期版では体感で分かるほどに掃除のクリアがしやすいのだが、私が何回かやった限り、スイッチ版ではクリアしやすいと体感できなかった。

 一応初期版より汚れは消えやすいが、クリアするために必要な掃除量は緩和されていないように感じる。

 

 さらに厄介なのが、掃除しなくても勝手にタイマーが止まるバグである。

https://twitter.com/crescenttttmoon/status/1307215654286536704

 

 このバグ自体はスイッチ版で報告数が結構あるが、肝心の再現方法は不明。

3Dコレクションはエミュレータを用いてゲームを起動しているが、そのエミュレーションの不具合に起因するバグと推測されている。

 

 現在最速でバグが発動した事例は残りタイム2:53:39

https://twitter.com/toobou/status/1306643876598349824

 GCの後期版の掃除は2:34くらいが人力最速であるため、このタイムで起きれば20秒近く短縮できる事になる。

 

※追記

 記事執筆後に複数プレイヤーで掃除バグを検証したところ、起こす方法自体は分からないもののスタート直後にクリアになる事例もある事が分かった。

 9月23日時点で最速タイムは2:59:87

https://twitter.com/zmqoak3429/status/1308296893252866048

 

 仕様上、会話終了から0.5秒間は次の会話が行えないため2:59:50~3:00:00は実質的にタイム差はないが、0.5秒以内に発動したパターンは4回報告されている。

 

基本仕様の変更

 まずスイッチ版ではメモリーカードの概念がないため、シャインゲット後や青コインのセーブ時にメモカを抜いて短縮すると言った事が出来ない。

 自分で測ったところ、セーブしないにスクロールするロスは5F程度。

GC版ではセーブ画面でA連打しても良かったのだが、スイッチ版ではA連打するとセーブして終わるを選択するリスクがあるため、最速でセーブを閉じる事が難しくなっている。

 

 次にコントローラー面の差

 GCコンにあったRトリガーのアナログ入力がスイッチ版では対応できないため、R/ZRで深押し、半押しの使い分けとなっている。

これだけなら影響はないのだが、ポンプの水の出始めがGC版と違い、すぐに水が出てこなくなっている。これによりリコカットの放水タイミングを従来より速めにしないといけないなど、GC版と違う操作を要求される場面がある。

 

 また、ボスゲッソー1回目では暗転明けすぐに攻撃が当たらなくなり、若干スイッチ版の方が遅くなる。

 

 ポンプの水の出始めの勢いについてはノーマルノズルだけでなく、マーレ3、マーレ4、マーレ8で使う深海仕様のホバーノズルでも弱くなっている。

 これによって、Y視点による加速に影響が出ると思われる。

 

 操作面では住人との会話がジャンプ入力のボタンに当てられた。

これはどういう事かと言うと、GC版ではダイブのボタンで会話する仕様のため、会話アイコンが出ていてもジャンプを出せたのだが、スイッチ版ではジャンプを出す事はできなくなっている。

 これを意識しないと事故を起こすのが村の裏のヒミツで、モンテ族の会話範囲内でジャンプでマリオの位置の微調整をしようとして誤って話しかける→投げられてミスという事が起こりやすい。

 特に神おっさんを引いた場合はジャンプの微調整をする人が多いため気を付けなければならないだろう。

 

 また、近年のゲームの操作に合わせたためか、右スティック(GC版でのCスティックに該当)の左右、Y視点の上下、ノーマルノズルで構えている時のスティック上下はGC版と逆になっている。

 

 マリオオデッセイのようにリバース設定する機能が備わっていないため、GC版に慣れた人は3Dコレクションのカメラ操作が厄介となるだろう。

 

 ノズル構え時のスティック上下逆に至っては、モンテ6の救出で特に影響が出る。

子供モンテを救出する際、GCではスティック上でノズルが下に向くのが次の動作への繋ぎになるため都合が良かったのだが、スイッチ版ではスティック下でノズルを下げ、救出したらスティックを上にして移動するという切り替えが必要になった分むずかしくなっている。

 

 逆にマーレの入り江の再突入ではスティック上を倒したままY視点にするだけでステージに入れるためGC版より楽になっている。

その他

 言語についてはイタリア語を選ぶのが一番速いと検証されている。

GC版でも言語だけならイタリア語が最速と検証されていたが、ロード差を覆せず日本初期版が最速だった。

 3Dコレクションはゲーム選択時に言語を選べるため、この点でもGCより有利。

 

まとめ

 基本的にはロード差、掃除バグによってスイッチ版が理論上速くなる事は間違いない。

 ただGC版で慣れた人ほど操作の違い、特にカメラ操作とコントローラーに8角形の溝がない事の影響を受けるだろう。

 

 記事執筆時点でスイッチ版Any%世界記録は1:19:45、GC版Any%は1:13:44(Hacked File)、1:14:13(New File)、6分の差を覆す日がくるのか期待である。

3Dコレクションのサンシャインで検証したい事

基礎動作技

グリッチキック、Y保存等のY視点関連

・ロケット保存、ターボ保存

ベイブレード

・バック宙ホバー

・坂滑り関連

 

バグ技

カニ歩き抜け

・ヒップドロップソフトロック

・シャインゲットフリーズ

・リコカ、ハニスキ、メカクッパムビカ

・フルーツ抜け、フルーツダウンワープ

ヨッシー無限ジャンプ、フルーツストレージ、ヨッシー段差抜け

・透明フルーツ

・ゲームオーバーノズル継承 

 

ドルピックタウン

・FMVルートで起きるバグ(モンテマンテキスト、ドルピック帰還時の位置、土管の側面の判定抜け)

・太陽の門の壁判定

・木箱屋シャインの位置が特定状況でずれるか

・東ベルの内側にロケットノズルが残っているか

・フルーツ屋すり抜け、屋根抜け

・マンホールバグ、地下天井バグ

・樽バグ

・青コイン交換屋から裏世界行けるか

・木箱屋出る時にすり抜け、裏世界行けるか

・木箱屋タイマーバグ

・警察署抜け、毒川土管抜け

・フルーツ持ったまま滑ってダイブする

・コロナ前の柵に潜りで突っ込んで床抜け

・ピンナ出現イベント発生時にキノピオが地下へ潜ってしまうか

・洪水中に丸太で水中歩行できるか

・洪水中に東側ベルのフルーツでY視点を使うと解除できなくなるか

・ミニコースでスピンの判定が緩いか

・毒川で水面の下から入り込めるか

 

ビアンコヒル

ボスパックンムービーインでコースから出たらタイトルに戻されるバグ

・風車壁で空中停止する

・AT

・アメンボによる壁抜け

ボスパックン寝床付近の壁抜け

・水中歩行した時の高速ダッシュ

・水車床抜け

・S8で壁の中に木があるか

・蓮バグ

 

リコハーバー

・海面上昇

・地下天井バグ

・会話中にだけ見える謎のクレーン

・金網抜け

ボスゲッソー中の透明樽

 

マンマビーチ

・木の芽ヒップバグ

・砂ブロックヒップバグ

・ヤシ抜け

・チュウハナバグ

・ボスハナチャン時のZボタン

・大砂鳥の移動速度

 

ピンナパーク

・ムビカ

・チョロプー抜け

クリボーマーク

・EYG

・S3の外部で観覧車が暴走しているか

・風船割りの重複カウント

・風船割りがコースター騎乗時と配置が違うか

 

シレナビーチ

・100枚コインでマンタ即死

・S2でシャッター抜け

・S3バナナ抜け

・Y保存ドア抜け

・カジノスキップ

・透明リフト

・ボステレサ関連

・掃除判定

・S8のプールのモンテ族でOoB

・特定の部屋の壁抜け

ヨッシーを浮かせられるか 

 

マーレの入り江

・バネ抜け

・初期位置右側の斜面のポリゴン抜け

・ウナギ上昇キャンセル

・モンテマン×泥船

・かいなかの裏口侵入

・ニセマリオシャイン判定消失

・コインフィッシュホバ禁

 

モンテの村

・キャンキャン掴みキャンセル

・キャンキャン場外落とし

・村裏抜け

・Y投げ

・泉で水面の判定がない場所

・綿毛

 

コロナマウンテン

・マグマダイブ

・泥船とマグマ利用したロケット保存解放

120枚RTAのルートが大きく変わっていた話

あらすじ

 2020年5月9日、120枚RTAの世界記録が更新されていた。

走者は海外のPaperario氏で記録は2:58:27と、それまで世界記録を保持していたナナシ氏の2:58:29を2秒更新した事になる。しかし両者の記録動画はルートがかなり異なっており、ナナシ氏が記録を出してから今に至るまでにルートの研究が大きく進んだ事を意味している。

 

 誤解がないように補足しておくが、今回紹介する新ルートはPaperio氏が初めて使用したわけではなく(誰がルートを作ったのかは把握していないのだが)、ここ数か月の120枚の走者は大体新ルートで走っているようだ。私は普段あまり積極的にRTA配信をチェックしていないので、ルートが変わっていた事に気付いたのが最近なだけである。

 

ルートの違い

 120枚RTAをよく見る人じゃないと分からないが、両者の動画で大きく違う箇所は以下の通り。

paperario氏の動画は[https://www.twitch.tv/videos/615119831]

ナナシ氏の動画は[https://www.youtube.com/watch?v=Oh88dv14xO0&]

で見ることができる。

 

コロナマウンテン解放前パート

・最初のニセマリオ撃破後に取る青コイン

New:双子青コイン2枚

Old:地下の青コイン2枚

 

・ピンナパーク1回目終了後に行くステージ

New:草原(or木箱ゲーム)

Old:リコハーバー

 

ドルピックタウンヨッシーに乗った後のルート

New:青い鳥を1匹だけ食べてシレナに入る

Old:青い鳥を2匹食べ、警察署上の青コインを取り毒川に入る

 

コロナマウンテン解放後パート

・コロナマウンテン脱出後に行く場所

New:モンテの村にそのまま入る

Old:地下のコイン10枚を取り木箱ゲーム、その後ドルピックタウンのシャイン回収パート

 

・ステージの回り方

New:モンテの村→マンマビーチ

   ビアンコ→ヤシの実アルバイト→ピンナ→木箱2回目(or草原)

   バナナアルバイト→マーレ→シレナ→西ベル(+地下コイン9枚)

   大王像前→リコ

 

Old:大王像前→マンマビーチ

   ビアンコ→バナナアルバイト→マーレ→モンテ→ピンナ→草原

   大王像前→シレナ→西ベル

   大王像前→ヤシの実アルバイト→リコ

 

灯台のシャイン

New:地下青コイン2枚を取った後、ロケットで警察署青を取得、そこから灯台へ飛ぶ

Old:ロケットを取ったら直接灯台へ向かう

 

・毒川への行き方

New:バナナを持ち泳いで土管まで行き、すり抜け

Old:上述の通りヨッシーで入る

 

・ビアンコヒルズのストーリー6の赤コインで使用するノズル

New:ロケットノズル

Old:ホバーノズル 

 

 以上が大きな違いである。特に後半のルートが大きく違う事が分かると思う。

 

 このルート差は海外のOatflaker氏が比較動画を出しており、新ルートはそれらを組み合わせて作られている。

 

ルート差

 先ほど紹介した新旧の違いを比較した動画を見てみる。

まずはニセマリオでの青コインの違い。該当する動画は以下のもの。

 

 なおこれらの比較動画は青コインをいつ取るか、取ってどこへ行くかというものであるため、ニセマリオの比較というよりは地下青コインの比較と思って見る方が良いかもしれない。

 

https://www.youtube.com/watch?v=gUmSHOB_Xvw

 

 まずニセマリオ中での青コインの違いを比較、その後にそれぞれが取得していない青コインを取る部分やステージへの移動を比較している。差は約1.3秒。この動画では新しい方は地下青コイン取得後モンテへ行っているが、これが改良され

 

https://www.youtube.com/watch?v=0ANTZ1GLnKQ

 

 モンテではなく木箱ゲームへ行くルートに変わった。差は約1.1秒。この動画での旧ルートはピンナ1回目の後に木箱ゲームへ行くルートとなっており、それが変わる関係でピンナ終了後の移動も比較されている。現在の120枚ではこれが使われていない事から察せると思うがこれもまた改良されている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=9lqgODtjpck

 

 直接関連があるわけではないが、次の動画を紹介する際に必要な動画なので載せておく。

 jelly skipはオレンジシールをヨッシーを使わずにすり抜ける事を意味している。

ヨッシーで取得する青コインを青い鳥1枚だけに留め、警察署の青コインをロケットで取るという比較になっている。差は約6.24秒。

 警察署の青コインを取る時に地下の青コイン2枚を取っておらず、どうせ地下へ行くならここで取ってしまえば良いのではという比較動画が次である。

 

https://www.youtube.com/watch?v=aFwmPEtbO3U

 

 差は約3.1秒。比較範囲が地下青→木箱ではなく地下青→投げおっさんになっているが、

 

https://www.youtube.com/watch?v=EZJa82vvxzg

 

 この比較でほぼ差はないと出たためと思われる。

 以上がニセマリオの青コインの変更および灯台道中での青コイン取得、更にはドルピックタウンヨッシーパートの変更の3か所の比較となっている。ルート差は10秒~12秒あると考えられる。

 

 次の比較はピンナ終了後に木箱へ行くルート。

 

https://www.youtube.com/watch?v=KkrgVwetdNY

 

 これだけだと挿入ムービーロスが響き、2秒遅い結果になるのだが

 

https://www.youtube.com/watch?v=lYqGgEACMfY

 

 コロナ→モンテというルートと組み合わせる事で約1.3秒速くなる。

更にモンテ→マンマという順路、ヤシの実→ピンナという順路を比較したものが次

 

https://www.youtube.com/watch?v=qPGYDBZvvXk&feature=youtu.be

 

 差はほとんどないが、この動画のM字回収はヨッシーパートが長い時のものであるため、jelly skipとの組み合わせによってもう少し速くなり得る。

 

※追記

  M字単体の取得にかかる時間を計算した場合、ヨッシーパートでの回収では6秒かかるのに対し、ピンナ→木箱の道中で回収する場合は2秒ほどで済む。

 つまりjelly skipと組み合わせた場合、更に約4秒(合計5.5秒くらい)速くなる。

 

 また、コロナ→モンテのアプローチは1~2秒速くなるルートが見つかっている。

 

https://twitter.com/Oatflaker/status/1253516752585187328

 

 よってルート差は6.5~7.5秒ほどある事になる。

 

 ビアンコ終了後の動きは比較がないが、これはただの手順前後と言った感じなため差はないと考えて良い。

 

 毒川へヨッシーを使わず入る事に関してはshadowmario氏が比較動画を上げている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=zr2U3k9qRvw&feature=emb_logo

 

 毒川侵入のセットアップ次第ではあるものの、上手くいけば5.2秒ほどの短縮となるようだ。

 

※追記

 この動画が作られた時の120枚のルートが古く、比較が正確ではないとしてoatflaker氏が現在のルートでの比較を行った。

 

https://www.youtube.com/watch?v=jnFbkT4O1uo

 

 毒川をヨッシーで入るルートでは、ピンナ終了後にセーブリセットで帰還、そのままヨッシーを取り、毒川攻略後にビアンコ→リコ→シレナというルートだったようだ。(shadowmario氏の動画はピンナ→リコ→ビアンコ→毒川→シレナというステージ順での比較)

 これによると差は3.5秒。セーブリセットによってヨッシー側のルートが最適化されている関係でshadowmario氏の比較より差が縮まったと思われる。

 

 最後にビアンコS6の赤コインでロケットノズルを使用する事について。

まずヒミツに入る道中での違い、およびヒミツ内部の差をshadowmario氏が比較している。

 

https://www.youtube.com/watch?v=yQS-rVtP_TI

 

 旧ルートでは100枚コインでロケットを取り、周辺の青コインも回収しているが、新ルートでは100枚コインでロケットの取得を行わず、代わりにS6赤に行く道中で回収している。

 ヒミツ内部は上昇リフトをスキップでき、これで約7,7秒差。

 

 更にこの外部のルートを改良したのが

 

https://www.youtube.com/watch?v=kK3gLMgQ9Vg&feature=youtu.be

 

 ロケット取得後に鳥だけでなく双子の片方、柱、ボスパックンの寝床の青コインを取り、100枚でのヨッシーパートを短くしている。

 さらにそこからロケット保存で壁を越え、落下のついでに青コインを取り、湖まで落ちる。これで約3.7秒の短縮で、合計すると約11秒になる。

まとめ

 複雑な比較が多かったため、簡潔にまとめると

120枚の新ルートではヨッシーパートが非常に短い、今までヨッシーで取っていた青コインを他で取り、10~12秒くらいの短縮。

 新ルートではステージの順番を大きく変えていて、6~7秒短縮が見込める。

 毒川への入り方はフルーツ抜けにより3秒程度速くなり得る。

 ビアンコS6赤でロケットを使う事で11秒程度速くなる。

 

 よって現在の120枚では32秒ほどルートが改善された事になる。

 

 120枚RTAはナナシ氏が2:58を出してからしばらくはもう世界が本人以外には更新されないような雰囲気があったのだが、新ルートが編み出され3時間切りプレイヤーも続出した。今はAny%の14分切り争いの方が過熱しているが、120枚の2:57、あるいは2:56が出る日も近いのではないかと思わされる。

 

※2020年5月12日、paperario氏が2:57を達成している。

https://twitter.com/Paperario/status/1260020857235070985

 マンマビーチ100枚コインに分単位のロスがあり、2:56は視野に入っているようだ。

 

※2020年5月19日、2:56を達成した。

https://twitter.com/Paperario/status/1262566959109025803

 コロナマウンテンで1度死んでおり、2:56:30切りは目前だろう。

 2:55については相当厳しいが、狙っていきたいと本人が語っている。