マリオサンシャインTASテクニックまとめ
元々はニコニコのブロマガに書いていたものだが、サービス終了に加えて新技術を更新してなかったので改めてまとめる。
QF(クォーターフレーム)
サンシャインは30FPSで動作しているが、内部的には1Fがさらに4分割されている。
TASはこの4分割のうちで最も都合のいいタイミングでマリオが着地したり壁に触れたりするように座標や速度を調整する。
高さの調整は、ショットガンでY速度を変化させる、ホバーのタイミングをずらすなどの手法がある。
壁キックでのQFは、例えば同じフレームで壁キックをするとしても、直前の壁ズリモーションに入るQFを調節すると、壁キックの開始時の高さが調整できる。
壁に触れる前のマリオのY速度がプラスの値ならば、ギリギリのQFで壁に触れた方が最大限高さを稼ぐことができ、速度がマイナスなら早めに壁に触れる方が高さの損失が抑えられる。
慣性ジャンプ
マリオに速度が付いた状態でジャンプする事。
ジャンプに残る速度はマリオの直前の速度の80%で、3段ジャンプのみ速度が100%残る。
接地するQF数が多いほど減速がかかるため、平地でのダイブ復帰では速度が60%~70%程度しか残せないが、ショットガンによる高さ調整で解消できる。
マリオの着地時のモーションを見ると速度の残り方を判別でき、マリオが直前の体勢のまま着地していればベストなタイミング。前のめりになるなど体勢が崩れていると速度ロスが発生する。
空中ショットガン
ショットガンはマリオのY速度に影響する。
速度を上げるかどうかはノズルの向きに依存しているが、多くは速度上昇。
意図的にY速度を落として滞空時間を減らす場合は上向きショットガンと組み合わせる。
上向きショットガン
Rを1F押してからショットガン入力をすると斜め上にショットガンが飛ぶ。
ニセマリオの瞬殺、地上のM字消しでは必須入力。
ヒップショットガン
ヒップドロップを利用して様々な角度にショットガンを撃つ事。
上向きの復帰ショットガンでも1発では出現しない青コインのシャイン模様やピンナのニセマリオの瞬殺に使う。
特殊な状況として、ヒップドロップを急斜面ギリギリでするとノズルが地面の下に行くタイミングが存在するため、ボステレサへの場外攻撃にも使える。
ショットガンダイブ
R→R離す→RABの入力でショットガンとダイブが同時に出せる技。
バック宙ホバー
X+R→RAの入力でバック宙を出しながらノズルを切り替える事ができる。
バック宙ショットガン
バック宙ホバーとの組み合わせで右後ろにショットガンが撃てる。
入力はカニ歩き状態でXL→AR。
大抵の場合スピンショットガンの方が汎用性があるため出番は少ないが、120枚では大掃除、リコカットで使っている。
ホバー入力の仕様
ホバーノズルは入力した1QF後に反映され、4QF間持続する。
そのため、ホバーを止めた次のフレームの1QF目まではホバーの判定が発生する。
ホバーを入力した瞬間は、1QFだけマリオが停止し、ホバーの判定が発生したQFにY速度が10.0になり、次のQFからはホバーの入力を行ったY座標との高低差によってY速度に補正がかかるようになる。この1QFのマリオの停止があるため、リコ偽など特定の状況ではホバスラをすると逆にロスになる場合がある。
切り替えホバー
ノズル切り替え直後のホバーノズルは2QF遅れて発生する。
地上での方向転換の量を増やしたり、高さの調整ができる。
普通にホバーを使うよりも減速が少ないため速度維持にも使えるが、QFによっては逆に遅くなる事もある。
ホバーキャンセル
ホバーと同時にノズルを切り替える事でホバーの終了を3QF早める。
最大の利点として、ホバーを離してからダイブが出せるまでの時間が1F短くなる。(通常はホバーを離してからダイブを出すには1Fのインターバルが必要)
これも高さ調整、速度維持に使う。
上り坂ではジャンプと同時にホバーキャンセルをする事でダイブ復帰を最速で出せる事が多い。
浮き上がりキャンセル
1Fのホバーで過剰に浮いてしまうパターンの時に2F目でホバーキャンセルをすると浮き上がりを抑える事ができる。
これが起こるのはダイブ復帰での最速着地でホバーを使った場合と、赤スイッチのテキストを送り、ホバーを最速で入力した場合。
ニュートラルホバー
ダイブ復帰の着地直後、ニュートラルにしたままホバーを使い、直後にスティック入力かジャンプをすると浮き上がる。この浮き上がりは通常のホバーよりもY速度が大きい(上の図において、2F目の1QF目のホバーが発生しY速度が10になるため)。
一見普通にホバーを使うのと差はないが、スティック入力ができないY視点硬直の間にホバスラを使いたい時や、緩やかな上り坂で普通にはホバスラができない場合に利用する。
120枚ではピンナ6(1回目)で観覧車裏のM字→砂浜のM字を取りグリッチキックでヨッシーに戻るとこで使っている。
反転ホバー
反転ジャンプとホバーを組み合わせて任意の角度にホバスラを出せる。
また、反転の予備動作中はホバーで浮き上がらない事を利用して、上述のニュートラルホバーと同じ操作ができる。120枚では結構使っているテクニック。
復帰ホバー加速
ダイブ復帰と同時にホバーを1F使うと速度が0.5ほど上昇する。
速度上限の仕様
サンシャインは通常、マリオの速度値と同じユニット数を1Fで移動するが、移動量には上限が設定されており、これにより速度をいくら上げても意味がない場合がある。
移動量はXZ方向とY方向で独立しているため、Y速度が低いからといってXZ方向の移動上限が広がったりはしない。
空中:XZ方向は±80ユニット、Y方向はプラスには上限がなく、マイナスは75ユニット。ただしホバー中はマイナス方向にも上限がなくなる。
水中:XZ方向は±80ユニット、Y方向は上限なし
地上:XZ方向は上限なし、Y方向は空中に切り替わるため実質存在しない。
アナログ放水
Rトリガーを浅く押していると水滴が近くに飛ぶ。すぐに水滴が落ちるため少し前の足場を濡らしておきたい時には重宝する。
乱数調整、水滑りの補助が主な使いどころだが、蓮や泥船ではアナログ放水の方がスピードが出る(水滴量の違いによるものと思われる)。
アナログホバー
深海エリアでのホバーではアナログ入力によって普通に押しこむよりも速度の上昇が弱まる。
Y速度の上昇も弱まるため、Yホバー加速をしてからアナログホバーに切り替える事で速度を維持しながら沈む事ができる。速度値80以上をキープすれば速度上限に引っ掛かるのでロスはない。
Yホバー加速
深海エリアでY視点で下を向きながらホバーを使うとXZ速度が大幅に上昇する。
また、地上においてはロープでもホバーによって速度が上昇する。
スピンキャンセル
ニュートラルにするとスピン入力がリセットされる。ただし地上スピン状態(ベイブレード)の時はニュートラルでもスピンジャンプが出せる。
YL視点調整
Yを押した時にカメラがまっすぐになるのを利用し、視点を速く調整するテクニック。
Lを押さないとY視点へ切り替わってしまうため、L視点ができない状況では使えない。
Y視点
Yを押してからY視点に切り替わるまでのラグがマリオの向きとカメラの向きに依存しているため、それらを調整する事でY視点の時間を最小にしたり、グリッチキックの高さを抑えたり稼いだりといった事ができる。
CY視点
Cスティックを使う事でY視点による視点移動の速度を上昇させる技。
空中など周りに何もない空間では効果がない。
主にY視点壁キックで使うが、ヒップドロップの瞬間にCを倒しているとかなり速度が上がるため、マーレに入る時にも短縮が大きい。
カメラ調整スピン
カメラが左右に動いている時、スピン入力を1Fで2方向以上判定させる事ができる。
これによってスピン入力で発生する減速を抑えたり、Y視点解除直後などのスピンで短縮になる。
反転スピン
復帰から最速でスピンジャンプを出す場合、進行方向にスティックを倒すよりも後ろに倒して反転体勢にしてからスピンする方が速度が出る。
ただし最速着地の方が速度は出るため、基本的にはポンプの使えない状況でしか使わない。
崖つかまりキャンセル
物のカドで崖つかまりするとよじ登るアクションなしで上に乗ってくれる。
タイミングを合わせてB入力すると即ダイブ復帰に繋げる事もできる。
なお、QFによってはBを押しても壁ずさ状態になったり、先に上る判定が出てしまいふわっと浮き上がるダイブが出てしまうため、これも調整が必要。
崖つかまりの瞬間にホバーを使うとQFに関係なくキャンセルできるが、滞空時間が増える。
崖引っかけ
水滑り状態で足場の端から1度落ち、すぐさま元の足場に戻る事で水滑りの速度から慣性ジャンプに繋げる事ができる。ダイブ復帰のモーションを介する必要がないためタイムへの影響は大きい。
ヒミツ内部などポンプを使わないステージにおいてはダイブで浮き上がる時間を削るために崖引っかけを頻繁に使う。
他には水滑りから方向転換したい時なども、近くに段差があれば1度復帰するよりも崖引っかけをする方が速くなる。
ニュートラル崖復帰
ビアンコ3の星型リフトでのみ確認されている現象。
リフトの端っこに着地しニュートラルのままBを押すとダイブが出る。通常であればニュートラルでのBは物を掴むアクションになる。
ニュートラル速度維持
ダイブ復帰からの着地時はスティックを倒すよりもニュートラルにした方が減速が緩やかになる。
マリオの速度がマイナスの時に滑る坂に着地した際にも速度維持が有効。
ニュートラル減速
ジャンプ動作から着地した時はニュートラルにするとすぐに止まる事ができる。
坂滑り
坂を滑る事による加速を利用した慣性ジャンプ。主にヒミツステージの回転するリフトで使う。
スピンジャンプの場合はスピン入力によって減速するが、再度坂による加速をギリギリまで行って速度ロスをなくす事ができる。
坂着地
ジャンプ動作から滑る坂に着地すると、着地の硬直中は滑る判定が発生せず速度だけが溜まる。
硬直が解けた時に床が滑らない角度であれば、硬直中に溜まった速度を生かすことができる。主にヒミツステージで使う。
ダイブヒップ
地上でヒップドロップを出す際、A+B+Lの同時押しで最速でヒップドロップが出せる。主に赤スイッチを押す時に使う。
水滑り開始時の斜め入力
水滑りに移行する瞬間に1Fだけ、斜めや左右入力をすると、方向転換が短縮できる。
ビアンコの開幕など、いろんな場所で使う。
地上速度の向きの調整
主に反転ホバスラ前に少しの予備動作が取れる場所(ドルピックのロケット、ターボを取る瞬間など)で使う。
マリオの速度には、どの方向に速度が出ているのかという向きの情報が存在しており、地上と空中で別々に管理されている。水滑りでY視点にしても進行方向が変わらないのはこれのせい。
空中では向きの更新が即時に行われるが、地上では更新にラグがある。
そのため反転ホバスラを真後ろなどに出すと、接地の瞬間、反転を出す前の速度の向き(正面方向)とマリオの向き(後ろ方向)の不一致により減速が発生する。
これを防ぐため、あらかじめホバスラを出したい方向にマリオを向けてから反転ホバスラを出すと短縮になる。
構え状態による動き出しQFの短縮
暗転明けやムービー明け直後、スティック入力が無効の時に構え状態を作って解除すると、スティック入力が有効になるまでのQFが短縮され、より多く方向転換ができる。
斜面抜け
急斜面の頂点はXZ方向の判定が薄いのでそこをすり抜ける技。
斜面の傾斜角と、マリオの速度によって難易度が違う。TASだと大抵ギリギリの場所をすり抜けるので大体難しい。
L字抜け
壁がL字型に交わっている場所は、その交点の頂上を斜めに通り抜けられる。
壁判定の方向が変わっていることが条件のため、くの字型だとできないことが多い。
三角形抜け
床・水面を構成する三角形の頂点同士が非常に離れている時、演算精度の限界により丸め誤差が起こり、判定が存在しない隙間が発生する。1000分の1ユニット程度の隙間しかないのがほとんどなので非常に難しい。
ポーズ解除によるムービー中の移動
泥パックン撃破後、マンタ撃破後など、発生時にマリオが強制的に移動させられるタイプのムービーの直前にポーズを解除して最速で入力すると、強制移動した後の地点からジャンプアクションを発生させられる。
マンタでは後ろ方向のジャンプを出すことでシャインまでの距離を短縮でき、ポーズ中もムービーまでの時間が消費されるため、ロスがほぼない(一応ムービー移動を行うには1Fロスさせる必要はある)。