マリオサンシャインを研究するブログ

マリオサンシャインのRTA,TASについて考察する。オタク向け

120枚TAS ここまでの振り返り 3回目

まえがき

 120枚TASの続きを先日アップロードした。

シャイン69枚、青コイン160枚でほぼ全体の3/4まで到達したという事で振り返ろうと思う。

 今回の範囲は木箱割1回目の後からモンテの隠しシャイン(ストーリー8)まで、動画だとpart6、part7にあたる。

 

 前回記事はこちら

zelpiku.hatenablog.com

 

全体を振り返って

 フルーツ運搬以外は楽しいシャインが多かった。洪水前はAny%と被る範囲なだけあって初めて作るシャインは青コインで大きくルートが変わるものくらいで、手探り感は薄かったが、今回の範囲は大半が初制作。RTAのワンシャインや通し動画のタイムを細かく見比べたりして情報収集に1番力を入れたと思う。

 

 また、今まで以上にTASに組み込まれる新技術も多かったように感じる。Rトリガーのアナログ入力は私が作るTASでは使わない傾向があったが、今回からは考えを改める必要があると思っている。

 

 制作途中ではかねてから噂だけが流れていたスーパーマリオ3Dコレクションが公式発表され、長らく現行機でできるサンシャインを望んでいただけに、新要素もない移植なだけであるにも関わらずTASそっちのけでのめり込んでしまった。これは掃除バグなどスイッチ版でしか起きないバグがあった事、スゴワザマリオという企画が行われていたのも大きい。

 スイッチ版はロードが圧倒的に速く、掃除バグは最速で発動すれば30秒以上短縮で、言語も最速のイタリア語を選ぶことができると至れり尽くせりで、ケチの付け所がムービーが初回は飛ばせないままである事くらい。この環境でTASを作れば1時間5分は切れると思う、作れればの話だが。

 

 話が逸れたが、それぞれのシャインについての話をする。

 

鐘の下

 ターボとフルーツどっちが速いかは分からなかったため両方作った。

ターボがRTAがTASとほぼ同タイムで驚いたが、ムービー明けの初動の差(通しだと初動が遅くなる)によるものだと判明し、実際は0.4秒くらいTASの方が速いはず。

 

 フルーツ壁抜けはここでマリオとフルーツとの高さ関係ですり抜けるかどうか変わるという事実に気が付いた。そのせいで壁ずりの時間が最短よりも長めになっている。

 なぜ高さが重要かは恐らくクォーターフレームが関係しているが、私はマリオの判定などは調べられないため正確には不明。

 

投げおっさん

 シャインの名称にいつも困るやつ。日本のRTA勢では投げおっさんの通称が1番使われているが、今はもう投げてもらう人は少ない。

 バナナを打ち上げる調整が非常に難しく、目の前の建物で跳ね返ってシレナ土管側へ吹っ飛んだり、コロナ側へ吹っ飛んだりする事が大半で思い通りに飛ばすには繊細な位置調整とショットガンの乱数が重要となる。

 

 さらに狙い通りに飛ばしても次に厄介なのがバナナのバウンドで、すり抜けポイントの近くに設置しようにもバナナが大きく跳ねるせいで海へ落ちてしまう。同じ理由で木箱の上にピンポイントで乗せる事もできなかった。

 

 バナナを持った後のすり抜けは、RTAのように歩き投げですり抜けるよりも着地投げで抜ける方が少し速い。ただし着地投げはバナナをなるべく早いタイミングで投げてすり抜ける最適化が難しい。

 

毒川

 120枚の制作が序盤停滞していた事で救われたシャイン。ヨッシー不要のルートが見つかり15秒以上速くなるというサンシャインではかなり大きめな更新が起きた。

 

 土管のある小島までバナナを運搬する作業が1番難しい。バナナ屋と小島との間にヤシの木が1本あるのだが、その葉っぱがバナナの吹っ飛びの勢いを殺してしまうという迷惑仕様。

 新ルート発見直後に作った時にはあっさりバナナが飛ばせただけにここで苦戦するとは思わなかった。

 

 TASで取った戦略は空中固定技でバナナをなるべく高く浮かし、ショットガンをかすらせてバナナを落としながらダイブ復帰で潜り込みショットガンで打ち上げるというもの。

 これによってバナナを飛ばし始める高さがギリギリまで抑えられ、葉っぱに引っかからなくなるという力技だった。

 バナナの飛び方はショットガンの乱数なので毎回変わる、だから違う乱数から作ればもっと良い位置で収まるかもしれないけどそこまで調べる余裕はなかった。

 

 内部のターボはマリオの座標を見ながら細かく最適化をした。1度試作したTASがカーブの制御がかなり強くて、ここで最適化を抜かされる事がしばしば。まぁ何とか試作に対しロスなく更新を維持したままシャインまで取れたのでヨシ。

 

 ちなみにこの3枚を最初にやるというのは決めていて、これらはフルーツ飛ばしの乱数のせいで入力の使い回しができないシャインなので先にやっておけば作り直す事になる可能性が低くなるから。

 これ以降の順番は制作時の気分。

 

金鳥

 ターボの水で倒すという発想は最初からあったが、ここまで上手くできるとは思わなかった。元々はカニ歩き状態のターボの噴射で倒していたが、ターボスピンで当たるのか検証したらすぐに成功して自分でびっくりしたやつ。

 

砂浜

 シャイン出すまでのアプローチをビアンコ→マンマの動き方を参考にしたらワンシャインRTAにも即取り入れられてた、嬉しい。

 このシャインを取るタイミングはマンマのどろパックンの時の方が良い可能性はあるがその場合警察署青の回収もする関係でどろパックンへの攻撃のロスを最大限抑える調整がクソになる事は間違いないだろう。それだけやって逆に遅かったら泣ける。

 

右のベル

 アプローチは1Fずつ復帰をずらして調べたから多分更新出来ない。

シャインを出した後はスピンジャンプロケットとロケット保存の2択で、タイム的にはどちらも一緒だったが、あるアイデアでロケット保存が少し速くなった。

 

 アプローチのスピンジャンプロケットを使うと、着地までは次のロケットのチャージができない。ならば着地と同時にロケットをチャージできる状態にしつつ、それまでの滞空時間で鐘の掃除をギリギリまで済ませておけば、残りはロケット保存の上昇中に掃除できるのではないかというアイデア

 これで苦戦したのが実はシャインを取るところで、ロケット保存の上昇が速すぎる事に加えてシャイン出現ムービー明けの10Fはスティック入力を受け付けない仕様のせいでマリオの左右の調整がしづらくなっている。このアイデアの前は出現ムービーがロケットのチャージをする前に終わってたため、左右調整する十分な時間があった。

 

灯台

 アプローチが3通り考えら、マーレ側から飛んでいくルートはRTAと大差がつかず、砂浜から飛ぶルートは普通に遅かった。TASで採用した水滑り慣性ロケットは1.5~2秒くらい速かったと思う。

 シャインの出待ち位置調整のためにブロックを壊す速さは最速ではないなど、ヒップの落下中に出待ちするためのセットアップロスが少しあり、そのため見た目よりは速くなっていない。

 

大シャイン

 大シャインオブジェクトに頭ぶつけて着地を早めるテクニックをここで思いついたのが地味にパチンコに役立っている。

 

 シャイン出した後のロケット保存で上昇しながらショットガン撃つのは地味に2Fくらいの短縮。

 

パチンコ台

 内部はTASが何度も更新された事があり、その度にルートが変わっている。

今回のはRTAのルートが元になっていて、そこから7枚目の後の上り方を改善した。この壁キックで上る工程はすごーく難しい。

 

 パチンコ台は細かいテクニックが地味にあるので詳しく解説すると

開幕~最初の3連取りまでの部分

 どういう仕組みか分からないが、ダイブ復帰から1度も止まらずに歩き続けているとそのまま発射台の判定を踏める。これでホバーを使わず跳ねているが、勢いが付きすぎてて3枚取れても壁判定にぶつかったり、それを回避しようとすると1枚取れないというジレンマがあった。

 

 4枚目~6枚目の部分

4枚目を取った後は、以前のルートでは5枚目で壁キックしていたためマリオを1度4枚目のポケットで引っかけて壁キック可能な状態を維持する必要があったが、新ルートではそのまま下に落ちるためホバーで4枚目ポケットの斜面を超える事ができた。

 

 5枚目~6枚目では以前試作した時からどうしても1Fロスが発生し原因が分からなかったため座標を1Fずつ確認するしかなかった。そこでようやく釘に押されていると分かりロスをなくすに至る。ここで大シャインで頭をぶつけて高さを抑えた発想も活きている。

 

 6枚目~8枚目の部分。

 Y視点が解除できるまでの時間をどうやって稼ぐかが課題だった。Y視点解除前に壁に触れるとマリオが手前側に壁キックしてしまい、どうしても遅くなってしまう。

 壁キックも8枚目をギリギリ取れる程度の高さに抑えようとAを押す長さや壁を蹴る位置を何回も調整し直したので、結構追記がかかっている。

 

 シャインキャッチの部分

 8枚目を取る時に速度が付きすぎていると減速が間に合わずにシャインが取れなかった。TASも釘に速度を殺してもらわなければポケットに入る事はできない。

最後の部分も分かりづらいが釘に2回引っかけて2Fの短縮を行っている。

 

アルバイト2種+木箱2回目

 乱数ゲー。パイナップルの3つ同時に籠の近くまで持っていくところと、ドリアンを水で押し出して会話直後に放り込むの好き、ドリアンは見た目通り超難しい。

 

 木箱は流石に2015年の20枚TASから大きく更新はできなかった。事前にNPCと会話をしていた影響で部屋に入ってから会話可能になるまでの時間が15F短縮されてはいるが。

 

警察署

 内部の下り坂で飛んだ方が速いというワンシャインRTAで発見された事がきっかけにTAS用の動きを組んだ。

 最初は普通に飛んでいたのだが、一応気になって崖引っかけ3段を試したら少しだけ速いという結果になりそれによってRTAと全然違う内容になった。タイムも1.5秒くらい差がある。

 

 シャインキャッチを3段で直接取るのはお気に入り。

エアポート赤+100枚コイン

 エアポート入る前の双子の最適化がdesyncがあったりショットガンの乱数だったりで難しい。

 

 エアポートでのルートはNoki doki氏やOatflaker氏がルートを考えてくれて、それらを全部作ったのちにTAS用にアレンジしたものが最終系。

 ここでターボジャンプ中にRを離した後にアナログ入力を行う事でターボを維持したまま次のターボをチャージ可能な状態にするというピンポイントなテクニックも情報提供を受けた。Y保存と相性が良すぎる。

 

 100枚コインはTASらしくショットガンの射程ギリギリくらいで窓に当てている。

ターボスピンでもY視点で上下を向くとY速度結構変わるんだなぁという発見もこの時。

 

ビアンコ3赤コイン

 アメンボ地獄の再来。最終的に120序盤のビアンコ3より1F速くなったけど、もう1F行けるんじゃないかなと言う気はしなくもない。

 

 内部パートも昔作った事があるが、それから割と細かく更新が起きてるのにリフトの周期のせいでどんどん追い付かれているのが悲しい。

 

ビアンコ8

 まだマシだと思ったらアメンボやっぱりキツイ。でもこれでアメンボの顔を見るのも最後だと思ってやりきった。

 復帰ロケットの暴れっぷりが面白い。途中で橋の下の青コインを追加したせいで最後の大風車の屋根へ乗るための水が足りなくなってしまい、クォーターフレーム単位の水節約技術を駆使して道中を短縮しつつギリギリ水を確保できた。本当に水がギリギリ。速く行けば行くほど風車の足場と羽が邪魔な位置にあるので更新は難しいと思う。

 

 シャインキャッチで1度屋根に足を付けているため落下が遅くなって層に見えるが、ニュートラルの速度保存によってダイブ復帰の下降速度を保持しているためロスはない。

 

ビアンコ1

 今更取るの何でってyoutubeでもニコニコでも言われて困った。そりゃRTAを熟知してないと分からんもんなぁ。

 

 当初は普通に作っていたが、ビアンコ100を作り直した時のアプローチを流用してみたら速い事が分かって、ここもやり直すことにした。ここでどろパックン撃破ムービーの強制移動を何とかキャンセルできないかといろいろ試した中でチュウハナの強制移動の性質を思い出し、チュウハナの検証に移行。

 

 チュウハナだと木に掴まっていると移動をキャンセル出来たが、どろパックンでは出来なかった。代わりにみかんさんがロープに乗ったままチュウハナ倒すとロープの判定のまま移動が発生して面白いと発見し、ロープバグの検証、更にロープ自体の速度保持性質の検証に発展した。それが最終的にビアンコ1の短縮に役立ったのだからたまには目移りするのも悪くない。

 

 チュウハナで新発見が2つほどありTASの戦略も固まったところでビアンコ1の制作に戻った。チュウハナの経験からロープ上でもマリオの速度が残っていて、それをムービーに持ち込むことができる事を利用できないかと考えた結果、蓮とアメンボを使う発想に至った。アメンボ、ビアンコ8で終わりじゃなかった。

 蓮の制御はそこまで難しくなく、どろパックンの体力も自分で特定できたため最適化で苦労したのはアメンボの位置調整くらい。

 

 ロープにダイブ復帰の速度を持ちこんだ後にホバーで更に加速できるというのもチュウハナで検証していた事。これでシャインキャッチの部分が6Fも縮んだ、影の功労者チュウハナ(のステージにあったロープ)。

 

ビアンコ100枚コイン

 遂に来た100枚コイン。ドルピックは赤コインのオマケ感しかなかったからね。

120枚に取り掛かる前はビアンコ100のルート構築がまだ定まっていなかった。というのも村エリアの青コインは全部ボスパックンで取れるのは分かっていたが、後半ストーリーにしかない村エリアの青コインが数枚あり、その中にヨッシー必須なものと、高い位置にあるものがあるから。

 

 具体的には柱付近にある青コイン、ボスパックンの寝床にある青コイン、そして蝶の青コインの存在のせいでヨッシーをどこで降り、またどういう動線で動くのが最適なのかが分からなかった。これを解決してくれたのが、村エリアから湖エリアへの壁抜けの発見と、120枚RTAで起きた大規模なルート改革。

 

 これによって、ボスパックンの寝床はロケットで取り、そのまま湖エリアへ抜けるという動線が出来た事、その過程で柱の青コインも取れる事、その2つがなくなった事で100枚でのヨッシーは蝶だけを目指せば良い事になり、ジレンマが全て解消された。

 

 正直なところこのルートになった事でビアンコ100枚は最難関クラスにはならないだろうなという甘い予測を立てていた。

 

 サンボヘッド、こいつは最適化大変だろうというのはRTA見ててもよく分かる。水を当てる時のマリオとの位置関係で飛ぶ方向が変化し、サンボヘッドにぶつからないギリギリのインコースを付いて角度を調整だけでも1000単位で追記を持っていかれる程シビア。

 そんなサンボヘッドが可愛く見えるのがフルーツ運搬。TASは当然持ち運ばないのが最速で、そのためにはヤシの実を1度飛ばし、その先でもう1度水を当てて軌道を曲げるという荒業が必要となる。

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 雑に図で表すとこうなる。

風車にぶつけて軌道を曲げると角度が合わず川へ落ちるため、ショットガンで曲げるしかないのだが、ただ曲げるだけではだめで、ヤシの実のバウンドの角度によってはどんどんと村側へずれてしまい最終的に川ポチャコースなので、どこでヤシの実をバウンドさせるかも考えた上で軌道を選ばなければならない。

 このルートが実現できただけで100枚コインがもう終わったかのような充実感があった。

 

 ヨッシーパートは速度を見てたら歩きながらニュートラル挟んだ方が速そうと思ったので座標を見ながら検証した。これのせいで歩くだけでも心労が凄まじく、1秒歩く入力作るだけでその日の体力がなくなってしまう事も多かった。代わりにニュートラルの時にLで視点調整できるというメリットもあったのでどっこいどっこい。

 

 ビアンコヒルズ特有の壁際にある滑り判定をヨッシーで利用すると速いが、ヨッシーベイブレードができないため着地硬直で速度溜め→スピンジャンプで速度解放という動きになる。速度溜め部分が位置調整がシビアすぎて辛い。しかも作った後にヨッシー水滑りする方法が出てきてそっちの方が簡単で速いというのも辛い。

 

 元々は木の上のコインは回収しない予定で、その分をサンボヘッドにしていたが、村エリアでのコインを全て取ると101枚になる事が分かり、1枚だけ削るのはタイム短縮が微妙でならばどうするかと考えた結果、サンボヘッド1匹削り、2枚足りなくなった分を木の上のコインで代用するという案になった。この案は双子回収した後というかなり後半で思いついたために、蜂や双子回収を全てやり直す必要がありもう少しで諦めそうだった。

 ここで諦めなかったおかげで蜂の配置が良くなり木の上を取るロスを最適化で逆転するという自分の技術力が光る100枚に仕上がったと思う。

 

 蜂の最適化は今回の100枚で1番難しかった部分で、一応TASのやり方としては2つ目の巣を落とした後、1つ目の巣の群れが来るまでの間に2つ目の群れをできるだけ食べ、ジャンプで蜂の位置を調整しながら処理という感じ。

 蜂をあえて1F遅らせて食べた方がその後が速いという事がよくあり、食べるタイミングをほぼ総当たりに近い感じで調べたと思う。モンテ村の蜂処理はどうなることやら‥。

 

 サンボサークル2つ目からはヨッシーで降りながら花を咲かせるという事をしている。ヨッシーでサークルに近寄りながらショットガンで咲かせるよりもジャンプ減速がない分少しだけ速い。更に降りながら上にショットガンを撃って着地までの滞空時間をクォーターフレーム単位で削っている。これによってマリオが方向転換するのが速くなり、最終的にヨッシーに乗るまでが1Fの短縮になる。ここまで最適化するのはめちゃめちゃ難しく、地味に追記が数千単位で増えた箇所。

 

 壁に囲まれたモンテ族の救出は踏ん張りを使って通常放水で掃除から着地寸前にショットガンで掃除しきる。モンテ族は基本掃除しきってから話しかけられるようになるまでにタイムラグがあるため、そのラグの間に会話可能な範囲に入り込んでいる。

 

 青コイン回収後の壁越え部分では、ヨッシーが壁に接触した状態だと越える時に速度が死んでしまうため、最小限の減速に抑えながら壁にぶつからないようにスピンを出している。ついでに最後に倒すサンボヘッドも起こしておくことで1秒近い短縮になる。

 

 村エリアの蝶はステージ突入時に建物周りと時計回りか反時計回りかが決まる。ヨッシーの要求フルーツも合わせなきゃならんので結構大変。

 で、蝶のルートをどっち周りにするかにあたってまずはRTAのワンシャインを確認した。RTAだと2分30秒くらいで蝶に差し掛かるが、100枚で橋の下の青コインを回収するため10秒くらいのロスがある。ヨッシーでの移動はそこまで差が付かないため、フルーツ運搬と蜂でどれだけ差が出るかというのをステージに入る前に考えなければならなかった。

 予測としては1分50秒くらいで差し掛かる(フルーツ運搬と蜂でトータル30秒RTAと差が付く)だろうと見積もって蝶のルートを選んだ、これが本当に甘かった。

 TASは私の予想よりも遥かに速く来てしまった(1分20秒くらい)ために、そのままの乱数では蝶は建物の反対側にいて、蝶を取るためには数秒の遠回りが必要になってしまう。蝶のルートを逆にして1分20秒付近を確認してみるとまさに花サークルと双子の間、進路上という都合の良すぎる位置にいた。

 

 一応今の状態は保存しておいて、作り直しに挑戦、ヤシの実と蜂で上手くいかなかったら諦めるという方針でビアンコ100をやり直すことに決め、その後初動の改善によってビアンコ1の作り直しに戻る、という時系列である(ややこしい)。

 

 とまぁこんな感じでRTAとTASの差をざっくり計算して蝶のルートを想定してはいたものの自分のTASが想定外の速さだったという、すごいのかダサいのかよく分からない事態で無事ヨッシーまでの最適化もヨッシーに乗ってからの最適化も更に詰めながら元の場所まで戻ってくることができた。

 

 双子ラクガキを消すところはスピンの回転方向を調整する事で最短で消すことができている。なおどうやったらスピンの方向が変わるのか未だによく分かっていない。

 双子ムービー明けはショットガンを撃ってサンボヘッドを壁際に戻している。これは大体分かるだろうが、最後のサンボヘッドが壁にぶつかるまでの時間短縮になる。ショットガンを撃つためのジャンプはロスにはならず、直前がダイブの姿勢であるためむしろジャンプしないとマリオの動き出しが遅れる。

 

 双子を回収する動線の最適化が見た目以上にキツイポイントで、水滑りの向きを曲げる時の速度ロスをいかに最小限に減らせるかが重要で、また青コインのセーブ画面解除直後に最速で入力を受け付けるのがスティック操作という事も利用してギリギリの位置で青コインを取っている。更に更に次の花サークルを咲かせるショットガンの乱数調整も同時に行う必要がある。

 

 4つ目の花サークルのサンボヘッド1匹目を処理する時に新技術として、ホバーを不発にした次のフレームでAを押すと低空ジャンプが出るというものを使っている。これはその後のTASでも何度か使っているが、これを使えばドルピックのシャインも更新出来るのではないかと考えている。めんどいので検証はしてないが。

 

 サンボヘッドのコインの判定待ちの間に建物からコインを出しておく。このコインは11秒間残っており、TASでもほぼ最後のフレームでコインを取ってるくらいにはギリギリ。

 

 最後の花サークルのサンボヘッドはこのストーリーでは唯一3匹いて、どのように処理するかが難しかった。動線の都合上サンボを右に飛ばしておきたいが、右過ぎると壁にぶつけるために必要な水を当てる回数が増えてしまい上手くいかない。なので割と正面に近い角度で飛ばしているが、むしろこのくらいの角度の方が速かった。

 ついでにここでもコインの判定待ちの間に建物からコインを出しているが、これも水が当たる判定がギリギリで乱数がきつかったポイント。

 

 最後のサンボヘッドは復帰放水を2回当ててより速く壁にぶつかるようにしている。1回だけでも壁にぶつかりはするが、2回当てた方が吹っ飛ぶスピードが上がる。

 

 シャインキャッチでは壁が地味に高く、どう越えるかと悩んだがスピンジャンプとグリッチで越えられたので特に問題はなかった。グリッチの角度の最適化はそこそこ難しく、Y視点解除硬直のせいで壁から落ちてしまいやすい。また、その後のスピンダイブで上に乗る動作への繋ぎの関係でマリオにある程度助走を付ける必要もあり、グリッチがなるべく村側を向くようにしている。

 最後は壁にある微妙な凸地形を利用して慣性スピン。この凸部分は斜面が緩すぎてなかなか復帰が引っかからず、また坂道ダッシュが発動する範囲も狭くてかなり難しかった。

 

 作り直しも含めた追記数は48194回。これまでの追記数最多はピンナ3の18090回だった。11000追記から作り直しとなったので最終的に2万~3万となるだろうと思っていたが、まさか4万超え、5万にも届きそうなレベルになるとは想像できなかった。恐らく今回の120枚全体での最多追記シャインで、他の100枚でもこれだけの追記数にはならないだろうとは思う。100枚コインはどれも難易度のベクトルが違うが、ビアンコ100は敵処理、フルーツ運搬、そしてヨッシーパートにおいて最難関クラスと言っていいと思う。敵処理だけならチュウハナの方がやばそうだが。

 

 これはヨッシーに限らないが、サンシャインでは坂道の角度が急なほどマリオの移動効率が落ちるせいで、平坦な道が少ないビアンコヒルズではどの場所を通るかの最適化が非常に難しい。単純にインコースを付けば良いというわけではない箇所もあり、基本的には坂道ダッシュが発動するラインは避けるというのを今回の100枚コインでは実践した。一応坂道ダッシュの発動するインコースを含めた検証も行ったので、今回のヨッシーパートは水滑りで更新出来る事を除けばかなり最適化されたものだと思う。

 

 このシャインはまだまだ語れる事が多いが、このくらいにして次のシャインへ移ろう。

ビアンコ6赤コイン

 ロケットまでのアプローチは速度をちゃんと残さないと左側を水滑りして川をホバーで越えたり、ベイブレードに繋げたりするルートに対してあまり速くならない。ベイブレードが普通に強いんだよなぁ。

 

 鳥は乱数で初期位置か向き、あるいは両方が変わっているが、双子ラクガキ消しに間に合いさえすれば基本的にロスはないため厳選はしていない。

 鳥の処理の最中に1度崖つかまりを挟んでいるのはマリオの向き変更と速度の両方に都合が良いアクションであったため。

 

 その後はすり抜けまでは特にない。ボスパックンから湖エリアへの壁抜けは120TAS用のdiscordで動画を共有されたもので、当初はターボでこのすり抜けを実行する案もあったが、ヒミツ内部の差を覆せずロケットが採用となった。水中謎ダッシュの実用化が見せられたしこっちの方が見映え良い気はする。

 水中に侵入する際に水面判定を踏まない事がとても難しい。大抵はマーレ4外部の海底青コインを取りに行く道中のように1度水面判定を踏み、泳ぎで下降ワープを発動し水中に横から侵入するが、泳ぐ分と復帰モーションが途切れるのが当然ロス。ピクセルパーフェクトというほどシビアでもないが、位置の猶予はかなり狭い。

 

 内部は自分がロケットルートをILで開拓したのもあって思い入れが深い。雲ルートを最初に思いついて成功させたし(競技人口1人)。個別TASも何回か作っていて、最新の個別からは0.7秒くらい更新してたと思う。

 

 2枚目~3枚目での復帰ロケットからロケット保存へ繋ぐ一連の動作が最初の難関で、三角ブロックが少しだけ邪魔だった。上昇ブロックを1番手前で起動させつつロケット保存がちゃんと発動するようにチャージタイミングを細かく調整している。

 この時三角ブロックからロケット保存や復帰ロケットで上手い事雲に乗れないかも試したがダメだった。さすがにね。

 

 ロケット保存は速度が毎回一定ではなく保存速度が169だったり171だったりとブレがあるのだが、このブレのせいでロケット保存から雲に乗るまででロスする事があり、これを避けるためにニュートラルにするフレームをずらす事で高い速度を保存している。

 

 三角ブロックをかわしているせいで保存位置が左に寄ってしまっている関係で赤コイン2枚取りしつつ雲に乗る事が非常に難しくなっている。ダイブ猶予は1Fでスティック入力もそこそこシビア。

 

 雲からの復帰ロケットは1Fずつずらして1番最短で6枚目を取った後に足場に戻れるタイミングにしている。

 8枚目をダイブ復帰で取りつつある程度ロケットチャージも行うところが1番難しかったとこで、TASが速すぎて足場がまだ赤コインの下に来ていない段階であったため、かすめ取らなければならない。またダイブが引っかからず復帰に繋がらなかったり、復帰できても角度が膨らみすぎて落ちたり、角度を改善すると今度は赤コインが取れないというジレンマが詰まった箇所となっている。

 

 シャインキャッチは復帰ロケットのタイミングをクォーターフレーム単位で調整して、空中でショットガンを撃って落下速度を上げるとシャインが取れないギリギリまでマリオの高さを抑えている。

 

 これにてビアンコヒルズをコンプリート。ステージ全体の追記数は101399回だった(リコカット等のステージ移動は含めず)。

 ステージ全体の感想は動画でも述べたとおり、アメンボを使ったのがS1、S2、S3、S3赤、S6(2匹同時)、S8と半分以上のシャインで乱数調整のめんどさでTAS制作者の体力を削ってくる。平坦な道が少なく、基本的に動くのが難しい。

 RTAでルート改革が起きた事でかなりの短縮となったが、もし起きていなければもっと苦戦していただろう。

 

バナナアルバイト

 難所を突破するとすぐに難所が来るのが120枚後半の恐ろしいところで、バナナアルバイトもパイナップル・ドリアンバイトに負けず劣らずのドルピック難所青コインだった。

 

 バナナは地面に置いてある時だと復帰ショットガンでも地上ショットガンでも高く飛ばす事は出来ず、ドルピックの建物を飛び越えられない。

 ここで使うのは毒川侵入でもやった空中のフルーツを掴んで浮かす初期版限定バグ。

毒川のところでは触れなかったためどうやって浮かしているかと言うと、ショットガンで飛ばしながらダイブ入力をして掴んでいる。このショットガンダイブは人力だとまずできないフレームパーフェクトの入力なので、この浮かし方はTAS専用となる。

 

 1つ目を浮かすとマリオが再び歩き出すが、ノズルが下を向いてバナナにショットガンが当たるようになるまでは少し時間がかかるため、1つ目を浮かす時に2つ目を少し奥に飛ばしていたりする。

 2つ目を浮かしたらまずはそれらを飛ばす。散々言っているがこれは乱数ゲーであると同時にマリオの位置のちょっとしたズレでも軌道が変わってしまう位置調整ゲーでもある。

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 2つのバナナはここに当てる事で反射している。

3つ目のバナナを浮かさなかったのは、浮かしているバナナを飛ばす際にこぼれた水で別のバナナにぶつかって落ちる可能性が上がるからが1つ、2つ目はそもそも3つ目のバナナが少し遠くて動きに無駄が多くなる事。

 

 3つ目は反転ショットガンで少し浮かせながら壁反射でこちらに戻し、下から復帰ショットガンで打ち上げて壁を使って籠に乗せる。

 

 3つ目のは籠に乗るように調整して、残り2つの内1つは復帰ショットガンで同じく籠に乗せる。復帰ショットガンで2つ同時に飛ばす事はできないためこれが限界。

 バイト引き受けの会話前にショットガンで籠に乗せていた2つのバナナを押し出して会話終了後に落ちるようにセットアップ。バナナ自体がショットガンの水滴程度じゃあまり動かない事もあってこの調整はドリアン以上に大変だった。会話挟むとその後のバナナの転がり方が変わる事もあった。

 

 アルバイト完了後はシレナへ行くルートも比較したがやはりマーレの方が良い。

 

マーレ金鳥

 シャインを取る順番は更新余地が残りにくいであろう順番。

 

 金鳥は特にいう事がない。トランポリンはなるべくギリギリのところで跳ねてホバーの時間を削る。シャインをなるべく落下速度のついた状態で出待ちする事がポイント。

 

マーレ6赤コイン

 滑車ベイブレードがかっこよさとタイム両面で飛びぬけてて強い。

RTAの上り方や開幕正面のロープを上るルートも作ってみたが、秒単位でベイブレードが勝つ。

 

 内部はまず最初は水滑りで速度を得られるように壁キックは斜めに行わない事が重要で、RTAでも速くなると思う。

 このシャインも1度作った事があるが、全体を通して細かな更新があり最終的に1.5秒くらい。別に前作った時に手を抜いたわけでもないのにどうしてこうなるのか。

 

 赤コインは出現から1秒間判定がないのだが、ここはその1秒の間にTASが通り過ぎてしまうくらいに近い位置に出てくるのが厄介。

 2枚目~ロープのところはなるべく2枚目に近い位置に復帰が着地するようにしている。こうする事でロープへのスピンダイブの角度が深くなり、ヒップで即ロープに乗る事ができる。

 

 3枚目~5枚目が1番難しいポイントで、速度を付け過ぎず、殺しすぎずの丁度良いラインで3枚目を取り、高さも最低限なジャンプに抑えて4枚目を取っている。

 4枚目を取る時に角度がなるべくまっすぐにしないと次の5枚目への動きで角度がどんどんずれてロスになる。

 

 5枚目は以前は3段ダイブで取っていたが、今回は位置が遠くてダイブだと届かなかったため3段ジャンプに変えている。なおロスではなく5枚目~6枚目でも更新になっていた模様。

 

 8枚目からシャインキャッチへの動きは角材の出っ張りと、角材の回転のせいで最適化が難しい。なるべく早めに面を移動しないと斜面の移動効率によってどんどんロスになる。

 

マーレ8

 外部はダイブ復帰の慣性をホバーでなるべく維持する事でスピンジャンプより3Fほど速くなった。

 

 コインフィッシュでは新技術のアナログホバーを採用。通常のホバーノズルでは何も違いがないが、海底仕様のホバーノズルではRトリガーの押し込み具合によって速度が変わる。みかんさんが発見したもの。

 地上でのアナログホバーは下降速度が上昇していたのでまさか海底でもと思ったが、水の処理の違いのせいか海底では速度は上がらなかった。ただし下降速度が上がらないだけで、上昇速度に関してはアナログ入力だとかなり違いが出て、1番緩い押し込みだと沈みながらホバーが使える。

 

 もう1つ、今まで気付いてなかった事がメモリ上は速度は99まで加速するのだが、座標を見ていたところ実質的な移動速度は80が上限で、速度80~99に差はないという事だった。これが何を意味するかと言うと、速度80を下回らない程度のアナログ入力をしていれば沈みながら最高速度で移動できるという事である。

 

 これによって青コイン1枚目を取ってから2枚目までの移動で常にホバーが使えて短縮となる。

 

 コインフィッシュの回収の仕方はRTAと違って完全に魚形態に戻った後での回収になるため難易度が非常に高い。

 尻尾のコインが左右に大きく揺れるため特に回収が難しく、Yホバーで回収する案や先に尻尾から取る案も試したが上手くいかなかった。

 背びれから頭側→尻尾と切り返しながら8枚一気に取るにはホバーの時間が長くなり、1度青コイン2枚分割が速いかどうかの検証のために試作した時からあまり速くならないという結果で、もっと最適化出来そうというモヤモヤが抜けなかった。

 

 なんかないかーとコインフィッシュを観察していたら分裂時に1枚下の方に飛び散るものが見えて、外套の箇所をチェックしたら丁度取りづらい位置の赤コインでこんな都合が良い事があるのか‥と流石に驚いた。TASを中心にサンシャインが動いている‥!?。

 

マーレ100枚コイン

 これも120枚作ってる最中にRTAでルート改革が起きた場所。元々はターボで水S上のコインを回収した後にホバーノズルへ戻して遺跡青を回収するルートだったが、遺跡青の一部をマーレ6に入る前に回収する事で100枚コインの後半はターボを維持するというすごいルート。TAS的にはそんな難しいわけではないが、RTAでは1つのミスが大ロスになる100枚でも屈指の難易度(とうの私はやった事ない)。

 

 最初のロケットまでのアプローチでは上り方をマーレ1や2から改善して1F速くなっている。ただマーレ2で同じアプローチをしたら速くならなかった。多分滑車に乗る位置の違いか。

 崖つかまりキャンセルに崖引っかけ慣性スピンとTAS特有アクションが高密度で繰り広げられるのが気持ちいい。ロケット取ってダイブしてようやくマリオが静かになるのも含めて面白い。

 

 ロケットを取る前の窪みの青コインでは崖つかまりグリッチキックが最速だが、このグリッチ前にカメラ角度を調整してY視点の発動を早めている。

 

 ロケットを取ったら遺跡青をまとめて回収。最初はロケットを取る前に回収する予定だったが、海外勢に「ロケット取ってから青コイン回収するルート、RTA用に考案したけど微妙だった、でもTASなら速そう(要約)」と提供され、試作からかなり最適化した結果2秒くらい速くなったと思う。最適化しすぎて遺跡が中途半端に引っ込んでいる状態で青を取ることになり難易度が高かったが。

 

 ロケット保存はカニ歩きで行うよりも歩きながらニュートラルにする保存の方がノズル切り替える手間が省けて速い。ターボへ向かうロケット保存が角度の調整難しい。あれだけ綺麗に入れるとは思ってなかった。

 

 ターボパートはY視点のどの角度が1番速度が上がるかを調べて作っている。水上パートは見たまんまでここは語るところがない。双子青2枚目取ったらY保存発動させて曲がった方が速いかと思って仕込んでおいたけど使わない方が速かったからLで保存を消している。暇な人はどこでY保存を仕込んで解除したか探してみてね。

 

 遺跡パートが細かい技術盛りだくさん。遺跡の起動はその後の壁キックまでの動きも含めて1番良いタイミングにしている。起動の速さを優先させると壁キックまででロスって結果的に遅い。

 

 起動直後はスピンYから壁キックを始動させるが、ここでターボをチャージする事でY視点による減速が打ち消される。これはターボチャージ中はマリオが勝手に歩く、つまりスティックを前に倒しているのと同じような事が空中でも起きていると考えてもらって良い。

 ターボをフルチャージ状態だと単純にマリオの速度が上がるが、この状態のまま壁キックをするには単なる最速壁キックではなく、クォーターフレーム単位の最速壁キックでなければならない。違いは簡単で、マリオが壁に触れているフレームが見えなければ後者である。

 

 ターボ使用中はスティック前に倒しているのに近い状態と説明したが、同じ理由で使っている間は壁キックの時の左右調整が弱くなる。そのため、遺跡の動きに合わせてマリオを海側へずらすためにターボを解除する。

 その後は水の節約のために普通に壁キックをして、遺跡青1枚目。

 

 黄色コイン有の通路はドルピックのマンホール内と同じ扱いで、ここではターボだと壁ドンせずに移動できる。青を取ったら反転で切り替えして復帰。この復帰はターボで曲がる時間を減らすために行っている。

 

 もうどこの事を言っているのか分からない頃だと思うので詳しくは省くが、その後は動画の解説通り、窪みに反転を引っかけたりターボを使って遺跡を起動したりなどを行っている。

 

 シャインキャッチでは壁キックからロープに掴まるとマリオがシャインに背を向けた状態になり滞空時間がもったいないが、ここでシャイン側を向いた状態でロープに掴まるのは非常に難しい。

 

 まずはターボの速度のままベイブレードを行い、足元にある滑る坂を無視してスピンジャンプを出す。そのままY視点にし、Cスティックを倒しながらヒップドロップを行う。これによってカメラの移動速度が上がり、マリオがギリギリシャイン側を向いた状態でロープに乗れるようになる。

 

 これでマーレの入り江コンプリート。乱数要素が少ないというのはTAS制作難易度をだいぶ下げてくれる。ウナギは更新余地残ってるけど。

ステージ全体としての追記数は40273回。ビアンコ100単品の方が多いの笑える。

 

モンテ8隠しシャイン

 120枚を作る前からこのシャインはやばいと分かっていたやつ。最初に綿毛ワープを知ったのは2012年、とある走者の79枚RTAで偶然木の上へのワープが発動した事がきっかけで、そこから実機で何時間も観察して条件を探り、バグの詳細を把握した。

 

 詳細が分かっても実現できないのが乱数ゲーのきついところで、正直なところ綿毛がどの範囲に出現するかも知らない状態でどこまでシャインに近いところに出現させられるかも未知数という今思えば無謀なチャレンジだった。

 それでもツールなしで最速ワープ発動から1秒遅いだけでワープ先もまぁまぁ速い綿毛を引けていたのは相当運が良かった。おみくじ大吉。

 

 ここでtwitterには3Dコレクション発売直後以来ご無沙汰だったGoldfireさんが突如綿毛の個別TASと専用ツールを動画で提示するというハプニング。数日前に私が「ステージ内の綿毛全部の位置とワープ先を確認するツールないと無理」とツイートしていたのが伏線かと思う程タイミングよくその機能を搭載したツールを開発してくれていた。

 

 Goldfireさんの個別TASはワープ発生がかなり遅かったしワープ後もカメラのせいでよく分からなかったが何かもたついてる印象があったが、それでも自分のTASより良い位置に綿毛が出てきているのは確か。これはつまり、そういう事なんですよね、私へのミッション。

 

 ツールをもらった時はこれをちゃんと使いこなせるのかという不安が大きかったが、Goldfireさんが丁寧に1つ1つの機能を教えてくれたおかげで1日経つ頃には自分の思い通りに探すことができるようになった。必要な綿毛に対しどれだけ乱数進めれば良いか分かるのありがたすぎる。

 

 ステージ突入の乱数調整を何度も繰り返し、最終的にワープ後1Fで足場に乗れる位置にまで調整できたのは誇り。最適化された綿毛が見たいとの事からツールの開発を行ってくれたと聞いたが、ここまで最適化できるのかとお墨付きを得られた、TASer流の恩返し。

 

 シャインの出し方はY視点でノズルを上に向けつつ、上向きショットガン(Rを1F押してからショットガンを撃つ)を2発撃ちこんでいる。マリオの高さはスピンジャンプのY速度の関係で動画の高さが限界。没にした綿毛ではスピンのY速度が違うためもっと低い位置で待機できているのもあるが、ワープ位置が悪くないとY速度は稼げない。

 

 綿毛ワープはS8で更に活躍するが、何回もワープを利用するため難易度は最難関クラス。ツールがなければ絶対に作れなかったと言いきれる。

 

むすび

 part7の範囲は100枚コインが含まれるのもあって、視聴者の反応がとても良く、苦労が報われている。この先も密度の高い内容になるはずなので気長に待っていてほしい。そして、徐々に120枚も終わりに近づいていると考えると若干の寂しさもある。サンシャインに関わってから自分史上最大のプロジェクトなだけに絶対に完走しきるつもりだ。