マリオサンシャインを研究するブログ

マリオサンシャインのRTA,TASについて考察する。オタク向け

【マリオサンシャイン TAS】風船割りについての話 その4

 長々と続けてきた風船割り解説もようやく最後である。

前回記事はこちら

zelpiku.hatenablog.com

 

 前回記事では後半のルートを何回か改善し、最終的に二重カウントを取り入れた事、最後の移動で何もする事がない時間が長く、ここを削れたら良いのにと感じ制作に取り掛かるところまでを書いた。

 今回はこの制作過程を話す。

 

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更新するために必要な事は?

 ここまでくると流石に個別TASも詰まっており、単純な最適化作業ではどうしようもなくなってくる。結局のところ、数Fどこかしらを削れたところでボトルの発射数を稼げなければ帳消しにされるため、大きく見直す必要が出てきた。

 

 まずは目標としている5~7の3連で終わらせるには風船をあと何枚多く割っておけば良いのかを確認した。

https://twitter.com/zelpikukirby/status/1107152564703760384

 これは前回記事の一番最後で解説した個別だが、3連を割った時点でカウントは18、つまり2枚多く稼いでおけばここで終了できる事が分かる。

 

発射数を稼ぐ方法

 先ほども触れたとおり、ボトルを多く発射する事は簡単ではない。ボトルが壁にぶつかり復活するまでの時間が長く、それだけの時間を確保する余裕は既にないからだ。

 どうにかしてボトルの復活を早めなければならない、そのために出た案は2つ。

 1つ目がボトルをレールにぶつける事。

これはCボトル1発目で8を割る時に使っているテクニックと同じで、他のところでも利用できないかという事である。

 

 2つ目がボトル同士をぶつけて互いに消滅させる事。

これに関しては難しいと思い今回のTASを作る時には検証しなかった。

なぜかというと基本的にボトルは取得してすぐに撃つが、ボトル同士をぶつけるとなると他のボトルもほぼ同じタイミングで発射しなければならない。

 

 例えばLボトルとAボトルをぶつけたい場合、Lボトルを取得した後にAボトルの位置にマリオが移動するまで待たなければならない。もしその前にLボトルを発射すれば今度はLボトルが復活する前にAボトルを拾ってしまう。つまりタイミングが合わない。

 

 Lボトルを位置保存撃ちし、Aボトルは普通に撃ってぶつけるのが現実的だが、これも風船を上手く割れなかった。

 

 そんなわけで案1のレールにぶつけて復活を早める方を検証した。

 

ルートの練り直し

 風船とレールの位置関係を確認したところ、有効な箇所が序盤に2つあった。

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 1つ目が初手の縦3枚の裏にあるレールである。

Lボトルの位置保存撃ちにより一番下を割りつつレールにぶつける事ができる。

上の2枚に関してはAボトルで2枚抜きをするしかないが、かなり際どい2枚抜きで若干の調整フレームが発生している。

 

 2つ目が9,10の2枚抜きとレール当て。こっちは特に難しい事もない。

 

 その後は2枚抜きしづらくなる19,20を真っ先に割り、壁が近くにある14、これまた2枚抜きできるギリギリの1,2、残ってる中で2枚抜きできる12,13の順で割る。

 

 最後に前回同様2つの風船で二重カウントを起こし判定を4つ分もらった後、8を割り復活したCボトルで5~7の3枚抜きで終わりである。

 

 後半はあっさりと書いたが、実際の制作では風船を割る順番はもっと検証した後に決定しているので雑に作っているわけではない事は補足しておく。

 最終的な動画がこちらとなる

https://twitter.com/zelpikukirby/status/1107298686436962305

 

ルート構築まとめ

 風船割りTASでどのようにルートを作るかのポイントをまとめておく。

 

1.方向転換の時間は極力抑える

 Aボトルで真っ先に1.2を狙わない理由、Lボトル取得の時に方向転換が長い。

 

2.なるべく水平角度でボトルを発射し、壁にぶつかるまでの時間を削る

 19,20をLボトルの位置保存撃ちで割ると斜めの角度になり壁にぶつかるのが遅い。

また1.2を中盤に回している理由でもある。

 

3.レール当ては最大限利用する

 たとえ1枚抜きになったとしても復活時間短縮の恩恵は意外と大きい

 

4.2枚抜きできない配置の風船をどう処理するか

 主に14,15と、2枚抜きと1枚抜きに分かれる3連風船

 

 大体このような事を意識してTASを作ったと思う。

人力では流石にこんなことを意識してやる余裕はないと思うが、風船割りを極めたい変人には是非知っておいてもらいたい。

 

これ以上の改善は?

 欲張った私は最後の下りレールとCボトル復活待ちすら削りたいと考えた。

Cボトルの位置保存撃ちで8ではなく5,6の2枚抜きをして終わらせられればそれが実現でき、そのためには7と8の分である2枚を他のところで稼いでくる必要がある。

 

 レール案はもう使い切ったため、こうなってくるともうボトル同士をぶつけるしか方法はない。3,4で二重カウントが出来たのだから1,2で二重カウントを起こしつつボトルをぶつける事が出来るのでは?と思ったのだが、どうも距離感が絶妙に合わないらしく片方の風船でしか二重カウントが出来ない。こうなると2枚抜きと1枚抜きをしているのと同じで結局今までと同じ数しか割れていない事になる。

 

 その後もしばらく粘ってみたのだが一向に結果が変わらず、私はここで制作をやめてしまった。実現できる可能性はかなり低いと思ってはいるが、120枚TASがここまで進んだ時にはこの難問を突破できるように努力するつもりだ。