ビアンコヒルズへニセマリオより先に入る技
あらすじ
マリオサンシャインの序盤も序盤にある、ビアンコヒルズ出現イベント。
ここではビアンコヒルズへの入口を作り逃走するニセマリオのムービーが流れ、このムービーへ切り替わる瞬間1Fはマリオの動作を受け付ける。
今回はこのムービーでの移動について話す。
ムービーの分類
マリオサンシャインのムービーには大きく分けると2種類ある。
ポンプムービーやメカクッパなどの「暗転を伴うムービー」と、双子青コインやどろパックン撃破後、地形が元に戻るムービーなどの「暗転が発生しないムービー」だ。
暗転を伴うものはその後、専用のムービーが流れ、暗転前後でマップの切り替えが発生する。マリオが直前どのような状態になっていようともムービー明けではリセットされる。
暗転が発生しないムービーではただカメラがその場所を映しているだけで、マップの切り替わりなどは行っていないため、マリオの体力や水残量などはムービー前後で変化しない。
また、暗転が発生しないムービーにも、マリオが特定の場所へ強制的に移動させられるものと、マリオの位置が変わらないものの2種類ある。
特定の場所へ移動させられるものとしては以下のものが挙げられる。
ビアンコS1、リコハーバー、マンマビーチのどろパックン撃破後
チュウハナの鏡ムービー、マンタ撃破後、ウナギ撃破後
強制移動が発生しないものは青コイン、エアポートのどろパックン、タマゴノコノコ撃破時(マッサラムービー)など。
そしてこれらのムービーはどちらもマリオに速度がついていた場合はムービーにもその速度が持ちこされるという性質がある。
強制移動ムービーではマリオがニュートラルになっている時と同じような挙動を起こし、XZ方向の移動だけ反映され、Y速度に関しては直接反映されない(速度自体はマリオに溜まっているため、ムービー後カニ歩きで解放する事はできる)。
マリオの向きは強制移動時に固定されるが、事前にY視点にしておく事で任意の方向へ固定する事ができる。
強制移動が発生しないムービーはマリオの動作がそのまま反映され、Y視点を使わずとも向きを調整する事ができる
ただしチュウハナの鏡ムービーは強制移動が発生するにも関わらず、Y方向の移動も直接反映され、Y視点なしで向きの保存が可能と、性質としては強制移動なしのムービーと同じとなっている。
特殊なムービー
前置きが長くなったが、本題のビアンコヒルズ突入ムービーは「強制移動が発生するムービー」である。しかしその性質はどれにも当てはまらない固有のものとなっている。
1.Y視点による向きの固定すら無視して角度を固定される
例えばビアンコの入り口ムービーだけ見てすぐに鐘の下のシャインを取りたいといった場面でも、Y視点で事前に向きを変えておいてムービー明け後の初動を速くするといった事ができない。
2.切り替わりの瞬間にした動作以外による影響を受けない
これは他のムービーと違い、事前に水滑りで速度を付けながらムービーに入ろうが強制移動時に速度が消される。よってムービー中に移動するには切り替わりの1Fにジャンプ/ジャンプダイブするしかない。
そしてムービー直前にしているダイブ、ヒップドロップなどの動作もキャンセルされる。後述のRTA用セットアップやTASのお遊びではこれを利用する。
3.ムービー中の移動ができない時がある
ニセマリオの移動タイミングによってはムービーが優先されてしまいマリオの動作を入れる事ができなくなる。2018年制作のAny%TASでもニセマリオの移動を調整するために1F撃破を遅らせている。RTAでは移動できない時に入力タイミングが悪かったのかそもそも移動ができないパターンだったのかが判断できないため、実質的な運ゲーとなってしまう。
ムービー中の移動時に起きている事
ニセマリオより先に入る技の解説をする前に、その原理にも繋がる部分を解説しておこうと思う。
まずはショットガンで入口を掃除しておく行為について
これに関しては水の移動はムービーでリセットされないため、切り替わりの1Fに撃つ必要はなく、少し速めでも成功する。
注意すべき点としては、入り口に近すぎる状態でムービーに入った場合は汚れに水が当たらないという事。
次に、ムービー切り替わり時に何らかの動作を入れることに成功した場合について
その直前の速度が動作に持ちこされる。より速度を稼いだ状態でジャンプを入れればそれだけ飛距離が伸びる。逆に速度がなければ当然ジャンプしても移動距離は稼げない。
ムービー切り替わり時に入力された動作は強制移動させられた場所から開始される。
ただしショットガンを撃つ場合、ムービー直前にいた場所から発射される。

同じフレームでショットガンとジャンプを入力したとしても、それぞれのアクションは強制移動の影響で別の場所で行われることになる。
先回りのやり方(TAS)
ようやく本題となる技の解説になる。先回りするには、ショットガンとジャンプダイブを同時に出すショットガンダイブをムービーの切り替わりに行うだけである。
だがこれを人力で再現しようとするのはほぼ不可能なレベルと言える。
その主な理由がショットガンダイブが人間がGCコンでやるのは到底不可能な操作精度を必要とするからである。
ショットガンダイブの入力自体は単純で、Rを離して最速でRABを同時押しするだけである。
R→無入力→R(深押し)ABとなるのだが、ここで問題となるのがGCコンのRトリガーのアナログ入力。1FでRを深押しまで入力するのが構造的に難しくなっている(不可能ではない)。加えてABの同時押しを要求され、ムービー切り替わりの1Fを狙うのも必要であり現実的な難易度ではなくなっている。
人力セットアップ
ショットガンダイブの方法では難易度が高すぎるのだが、別の方法を使う事で人力でも成功させる事ができる。
https://twitter.com/zelpikukirby/status/913275613737136128
https://twitter.com/zelpikukirby/status/913357585469734912
ムービーの前に速度をつけておき、移動に速度を持ちこむ方法である。
この方法なら切り替わりフレームでショットガンをするだけで先回りが成功するのだが、ネックとなる事がないわけではない。
まず今までの歩きながらジャンプ→ショットガンというやり方は切り替わりより先にショットガンを撃ったとしてもムービー中に入口を開けておく事はできるのだが、この方法ではそれができない。
また、切り替わり直前でマリオが壁に近すぎた場合は移動はできるがショットガンが当たらず入口開けができない。
安定させるにはニセマリオが入口の前で待機した直後に近付くように調整するなどが必要となり、そうなるとニセマリオを待たせる分あまり速くならない。そもそも技自体成功させてもコンマ数秒程度の短縮にしかならないのだが。
これらの点から、安定性の割にリターンが弱くRTAには向かない技と私は思っている。
むすび
ムービー中に移動する場面はそこそこあるが、その中でも特に異質なタイプとなるビアンコヒルズ突入ムービーについて話した。
これを発見したのは2014年のany%TAS制作時で、その時はなぜこれができたのか分からなかった。他のムービーと挙動が違うのもあり原理の解明には1年以上経っている。
ムービー中に暗転しストーリー選択画面になれば、RTAでもっと取り入れていたと思うが、残念ながらムービーの演出はカットされない。
見映えする技ではあるので、コメントを稼ぎたいプレイヤーは練習してみると良いかもしれない。