マリオサンシャインを研究するブログ

マリオサンシャインのRTA,TASについて考察する。オタク向け

歩きの最適化

あらすじ

 最近120枚TASを制作している時に、マリオの歩きの最適化を行いこれをtwitterにて文章化してみたところ、オタクレベルの高い話だと思ったので記事を書いてみる事にした。

 

歩きの仕様

 マリオが平地を歩く時、その速度は26~32の範囲で常に変化しており一定ではない。26→27→…→32と1Fごとに約1ずつ加速をした後、32→26と減速する。このサイクルを繰り返している。なお斜面では坂道慣性保存がはたらくため、最高速度の32で歩き続けることができる。

 

ジャンプに繋げる

 普通であれば歩きの速度のブレはどうしようもないため、歩く最適化というものはないに等しいが、歩きからジャンプ動作を行う場合はフレーム単位で差が出るポイントである。

 

 ジャンプは直前の速度の約8割が初速となる。水滑り最高速度の100.500からジャンプすれば79~80、ベイブレード坂滑りであれば80→63~64。

歩きの場合、26からジャンプすると約22で、32の時であれば26の速度でジャンプができる。見た目ではこの2つは違いが分からないが、ジャンプ速度が4も違うとすぐ近くの壁に到達するまででも1~2F程度は差が出てしまう。

 

 TASで歩きからジャンプを行う場面は、方向転換を挟む時だ。そしてそれは大抵ダイブ復帰→歩きで方向転換→ジャンプという流れになっている。

 最小限の方向転換で済まさなければならない関係上、ジャンプの直前に歩き速度が31~32にならないよう調整する必要がある。ダイブ復帰は55の速度があるため、そこから着地すると速度は約37→32と減速する。方向転換にかかるフレーム数ではこの32でジャンプを出せるが、もう1F方向転換に要する場合、32→26になった時にジャンプが出てしまう。

 

 これを防ぐために、ダイブ復帰中にわざと減速させ、ジャンプを出すフレームで丁度32になるように調整する。普通はダイブ復帰の減速は好ましくないが、歩きの最大速度になるフレーム調整のためにあえて減速する場面がTASでは出てくる。

 

むすび

 メモリの監視をしないと分からない話のため、実際にTAS動画をコマ送りで見てもどこでこの技術が使われているかは分からないと思う。私も自分で作った動画でなければ見抜くことはできない。

 TASの細かい最適化に関する記事は今後も上げていくつもりである。TASさんはそんなことにも気を付けて制作しているのか、と理解してくれたら嬉しい限りである。