マリオサンシャインを研究するブログ

マリオサンシャインのRTA,TASについて考察する。オタク向け

マリオサンシャインの新技についての話

あらすじ

 2019年6月24日、海外の走者Noki Doki氏が1つの動画をtwitterに公開した。

https://twitter.com/Qbe_Root/status/1142992445640237058

 一見スプリンクラー放水をしながらただスピンジャンプを出しているだけだが、ある程度RTA、TASを見ている人はスピンジャンプにかなりの速度が乗っている事が分かると思う。

 

 私はこの動画を見てすぐ、「これはとてつもない可能性を秘めている、すぐにでもRTA勢に広めて研究しなければ」と思いリツイートした。

 

何が凄いのか

 私は記事執筆時点でマリオサンシャインRTA活動を9年、TAS活動を5年半やっており、特にTAS制作でいろいろな知識や地形を把握しているのだが、この動画でスピンジャンプが出せること自体にまず驚いた。

 

 なぜならこの場所の坂は急傾斜となっていて、マリオが滑ってしまいジャンプする事ができないからだ。

 つまり地上スピン状態のマリオは急傾斜であっても滑らず、滑る速度だけを得られるという事である。厳密には滑る速度を最大限得られるわけではないのだが、それは後ほど解説する。

 

 とにかく、今まで利用する事ができなかった坂を加速装置として利用できるようになったと考えれば良い。

 

どこで使える?

 このような応用力が高い技が出た時に必ずと言って良いほど、一体どこで使えるの?という疑問が出てくる。グリッチキックやロケット保存も見つかった当時は使える場所を多くの走者が模索していた。

 マリオサンシャインには滑り判定のある坂は意外と多い。ほとんどないのはシレナビーチくらいであるが、そのシレナビーチでも実用的な利用箇所がある。

 今はまだ発見から日が浅いため研究段階ではあるが、各ステージの使えるところをまとめておく。

 なお今回の新技、走者はベイブレードと呼んでおり海外走者にもその名前で広まっているためベイブレードと呼ぶことにする。

 

 ビアンコヒル

 

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 マリオが立っている坂がベイブレード可能(参考→https://twitter.com/zelpikukirby/status/1143125769599635456)。

ストーリー8ではスタート地点にいるヨッシーのためにフルーツを持って戻ってくるため、道中で使う事でタイム短縮になる。

 何らかのものを持っている時でもノーマルノズルであれば地上スピンができる。

 

 

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参考→https://twitter.com/Qbe_Root/status/1143211061262323713

 ビアンコ6のヒミツ赤入場時に使える。

 

リコハーバー

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 画像の黒い線4か所が滑る坂となっている。

大籠で速くなることが確認されている。リコタワーはRTAで速くなるかは今までのアプローチや走者の腕次第だと思うが、TASでは更新が期待できなかった。

リコ3→https://twitter.com/Goldfire711/status/1143189622500950018

リコ3RTAでやりやすい方→https://clips.twitch.tv/DeadKnottyHippoHeyGirl

リコ3TAS→https://twitter.com/zelpikukirby/status/1143248020470845440

 

リコ4→https://twitter.com/Goldfire711/status/1143199693171675137

リコ4ホバ禁→https://twitter.com/zelpikukirby/status/1143592566215958528

リコ4TAS案→https://twitter.com/zelpikukirby/status/1143233269527224321

 

マンマビーチ

 今のところフルゲームランでの短縮は発見されていないが、特定のお題をクリアして1列揃えるビンゴという競技で使えそうな案は存在する。

https://twitter.com/Qbe_Root/status/1143198328135593984

 ツイートではホバ禁Max%での可能性を言っているが、100枚コインでロケットノズルを使う道中にあるため使わないと思われる。

 ビンゴでのマンマビーチの青コインX枚というお題ではロケットなしで速く取れるため可能性はある。

 

ピンナパーク

 ここもRTAで実用的な場所は見つかってないが、TASはこれで観覧車の周期に強引に間に合わせる事に成功している。

 なお技の再現をするだけならかなり簡単なためデモンストレーションには丁度良い。

参考→https://twitter.com/zelpikukirby/status/1143033538213584897

 

シレナビーチ

 坂滑りが起きる場所自体が少なく、カジノの一部のスロット(https://twitter.com/Qbe_Root/status/1143217743451348992)とヒミツ内部くらい。

カジノのヒミツでは最後のリフトで速くなる事が確認されている。ポンプがないと使えないため赤コイン専用。

 

マーレの入り江

 100枚コインで使える可能性がある(https://twitter.com/toobou/status/1143198439330631680)

 このステージも滑るオブジェクトがあまりない。

 

モンテの村

 木の葉や幹、キノコなど滑る場所自体はあるのだが実用的なものは見つかっていないが、モンテ5でのフルーツ運搬でバナナの場合は木で滑る事で投げ運びより速くなる可能性がある。

 

ドルピックタウン

 ピンナパークへの入り口となる大砲の斜面で短縮となる。

リコハーバーへの移動は微妙なようだが、草原ステージへの移動では実用的。

 

 今のところは上記の通りである。RTA、TASでの短縮箇所となるとそこまで多いというわけではないが、技を発生させるだけならかなり多くの場所で再現できる。

 

欠点

 この技を使う上でいくつか注意点がある。

 まず当然ながらスプリンクラー予備動作が必要な事。技に必要な入力は、

1.スピン入力

2.反転モーション

3.ノズルの使用

の3つであり、特に2の反転モーションを必要とする関係で坂滑りの直前に時間がかかる。そのため従来通りのアプローチとタイム差が大きく開かない場所では予備動作のせいで遅くなる事もあり得る。

 

 次に速度上限があるという事。

これはRTAというよりはTASに関わる問題で、このゲームでは通常の坂滑りであれば速度は100まで加速するのだがスプリンクラーでは80が上限となっている。

 

 角度が常に一定の坂であれば関係ないが、ヒミツにある回転リフトのように滑って操作できない角度からジャンプが出せる角度に切り替わる瞬間にジャンプすれば、TASでは速度100からジャンプが出来る。

 

 つまりは通常の坂滑りジャンプより速度的には劣るという事である。

 

 最後に速度の溜まらない滑る斜面の存在である。

これも回転リフトに関わる問題であるが、マリオサンシャインでは滑りながらジャンプができる坂が存在する。

マンマビーチの山やマーレ6のヒミツ内部にある赤い坂がそれである。

これらの斜面ではスプリンクラーでも速度が溜まらない(滑らずに斜面で方向転換する事はできる)

 

 これがどういうことかというと、回転リフトで速度を溜める際、斜面に入るタイミングによってはこの速度の溜まらない角度になりただのスピンジャンプになる事である。

 ヒミツステージの多くの回転リフトはこのフレームの見極めが難しいため、予備動作が必要な事も相まって実用化するのが難しくなっている。

 

まとめ

 新技ベイブレードについて話した。マリオサンシャインでこうした汎用性の高い基礎動作技が見つかるのはグリッチキック以来6年振りであるため、サンシャイン勢のdiscordやtwitterは大いに盛り上がり、多くの走者が案を出している。

 

 RTAも徐々に取り入れて行くと思われ、TASも120枚で既に採用している。今後の発展が楽しみとなってきた。