マリオサンシャインを研究するブログ

マリオサンシャインのRTA,TASについて考察する。オタク向け

どろパックンを画面外に持っていった時の違いを解明した話

あらすじ

 約1年半前にマンマビーチのどろパックンを倒しながら砂浜のシャインを回収するアイデアが出された。初出というわけではないのだが、ソフトロックの危険性がある事、どろパックンに攻撃が当たらない事が多いなどから、それまでは思いついても採用しようという人はいなかった。

 このアイデア動画ではそれらを回避しRTAで十分採用できるレベルの難易度に落とす方法が編み出されており、それは以下の2つ。

 ・どろパックンを画面に映さない

 ・とどめを刺すとジャンプやホバーの上昇が強制的にキャンセルされるため注意する

 この方法が示されてからはRTAでも砂浜と両立する走者を見かけるようになったと思うが、なぜどろパックンを画面に映すと攻撃が当たらないのかは分かっていなかった。

 自分も調査しようとは思っていたが、120枚TASが忙しく調査する気力がなかなか出ずに放置していた。それから2020年になり、とある走者からどうして画面外だと当たるのかを聞かれ、遂に調査し原因が分かったので結果報告をする。

 

 元となったアイデアはこちらのツイートである

https://twitter.com/Nanashi_745/status/1045648660082483201

 

調査過程

 今回どのように調査していったのかを参考までに残しておく。

まずはどろパックンが画面内にいるかどうかを管理するアドレスを割り出した。なくてもできるが、あった方が調査しやすいと感じたため。

 

 どろパックンへの攻撃はRTAと同じく柱から行い、まずは画面に映した状態で水が当たるか試した。結果は当たらず、射程が足りないようだった。そこでアイデアと同じく画面外に出したところ、射撃角度は変えていないにも関わらずダメージが入った。まずは画面外に出すと当たるという事の実証が得られた。

 次に先ほどのアドレスで強制的に画面外にいる数値に固定して試したが、これは効果がなかった。外部ツールによる数値書き換えよりもゲーム内の処理が優先されていると思われる。

 

 次はカメラ座標を書き換えてどろパックン付近を映すようにした。がこちらも画面に映るとダメだった。そこで水が当たる直前にカメラを移動させたところ、ダメージが入る瞬間を映す事ができた。どうやら画面外にいる時は口以外にもダメージ判定が出るようだという説が得られた。

 

 1度条件を変え、どろパックンの近場で同じように画面外に出し、どろパックンの根本へ放水したところダメージが入った。先ほどの説が正しいと思われる。

 

 最後に他のどろパックンでも同様の検証を行ったところ、同じ結果が得られたので、どろパックン共通の仕様であると判明した。

 

結果

 どろパックンを画面外に出すと、口以外に水が当たってもダメージが入るようになる

これが画面外に出さなければならない理由であった。重要なのは他のどろパックンでも有効な事で、画面外に出した状態で処理した方が楽に倒せるという場面が出てくる可能性がある。実際昔の20枚ではビアンコ1のどろパックンに対し画面外でダメージを与えるテクニックが使われていたのだが、あれも口以外にダメージ判定があったからこそのものである。

 

むすび

 今回は長らく疑問だった事が、とある質問から解決され私自身もスッキリした。マリオサンシャインでは画面にいるかどうかで変わるオブジェクトはあまり多くなく、他に分かっているものは電気ノコノコとヒミツにある回転キューブくらい。

 アイデアを出した当人がこの仕様を知っていたのか、それとも何でかは分からないが取りあえず画面に映さなければ成功するという認識だったかは分からないが、ちゃんと原理を調べる事で応用の可能性が広がるだけでなく、このゲームへの理解が深まるので面倒でも調査は大事だと実感した出来事となった。

 

 画面外にいる時のダメージ判定を多少分かるように動画化したので、文章だけではよく分からなかった人は1度見てほしい。

https://twitter.com/zelpikukirby/status/1224736472982384640